マスク氏1兆ドル報酬案に再び反対助言、「見当違い」とテスラは反論
- 「重大な懸念」と議決権行使助言のグラス・ルイス、ISSに続く反対
- 高額報酬には複数の条件も、11月6日に年次株主総会開催へ
電気自動車(EV)メーカー、米テスラの株主は、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)に対する総額1兆ドル(約151兆円)の報酬パッケージをめぐり、2社目の議決権行使助言会社グラス・ルイスからも反対票を投じるよう促された。
グラス・ルイスは報告書で、株主への潜在的な希薄化や報酬案の条件について「重大な懸念がある」と指摘。11月6日に開催される年次株主総会を前に、広範な投票指針の一環として反対を勧告した。
これに先立ち、インスティテューショナル・シェアホルダー・サービス(ISS)も同様の勧告を出している。グラス・ルイス、ISSはいずれも、投資家の約4分の3がなお支持しているマスク氏の2018年の報酬合意についてあらためて承認を拒否するよう助言した。
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テスラは20日、グラス・ルイスの勧告を「見当違い」と批判した。Xへの投稿では、グラス・ルイスがマスク氏の報酬を支持した過去の株主投票を無視していると反論した。
テスラはさらに、「グラス・ルイスの勧告は、株主がマスク氏に与えた信任を覆そうとするものであり、マスク氏のリーダーシップ下で達成された驚異的な業績を無視して、自社の硬直的な方針を優先している」と指摘した。
今回の株主総会は、テスラとマスク氏にとって極めて重要な節目となる。テスラは、マスク氏が今後10年間にわたって同社に関与し続けるよう促す、前例のない規模の報酬パッケージを提案している。ただ、報酬全額とさらなる経営支配力を得るには、マスク氏がテスラの時価総額を少なくとも8兆5000億ドルに引き上げ、自動車、ロボット、ロボタクシー事業を拡大するなど、複数の目標を達成する必要がある。
マスク氏はテスラを含め、宇宙開発企業スペースX、人工知能(AI)スタートアップのxAI、脳インプラント会社ニューラリンク、トンネル掘削会社ボーリング・カンパニーの計5社を率いる。
原題:Musk Pay Draws More Pushback as Glass Lewis Urges ‘No’ Vote (1)
(抜粋)