PS5値下げから2か月 Switch 2に逆転ならず、それでも生き残りに成功か #エキスパートトピ
「PlayStation 5 デジタル・エディション 日本語専用」の投入によってPS5が実質的に値下げされてから、約2か月が経過しました。発売直後にはPS5(全モデル)の販売台数が約6倍に伸びましたが、現在は落ち着きを見せています。
当時はすでにメモリ価格が高騰していたことから「赤字覚悟」との見方もあり、さらにSwitch 2の品不足を狙い撃ちしたかのような投入タイミングも話題となりました。では、「日本限定でのPS5値下げ」はどの程度の効果があり、どんな意味があったのでしょうか。ここで一度、整理してみます。
ココがポイント
PS5の販売台数は87万台で、2年連続で約4割の減少となった(中略)円安を理由にした度重なる値上げで、国内のユーザー離れ出典:産経新聞:産経ニュース 2026/1/19(月)
PS5値下げ後の初週販売は2万台超 データで「効果くっきり」も今後の焦点は…出典:河村鳴紘 2025/11/28(金)
日本国内での使用に限定し、一部仕様を変更したモデルで、海外への転売を防ぐ狙いもあるとみられる。出典:四国新聞 2025/11/12(水)
PS5/3784台(中略)PS5 デジタル・エディション/5869台(中略)PS5 Pro/1477台出典:ファミ通.com 2026/2/12(木)
エキスパートの補足・見解
今回の値下げが、爆発的な逆転劇をもたらす特効薬ではなかったことは確かでしょう。日本語モデル発売直後の週でさえ販売台数は約3万7000台(全モデル合計)にとどまり、Switch 2の3分の1程度だったことからも明らかです。
とはいえ、最近の販売台数はおよそ週1万台前後で推移しており、値下げ前と比べて倍の水準で安定しています。国内販売が瀕死の状態から、ようやく「市場に戻ってきた」と言えます。
もっとも、こうした動きはSwitch 2の発売と品薄があってこそでしょう。国内専用版Switch 2が約5万円という価格になったことで、PS5の5万5000円も「ほぼ同等」と受け止められ、性能面の優位にも目が向けられるようになりました。
また「国内限定」により海外への転売を抑える発想も、Switch 2からヒントを得た可能性があります。
PS5は値下げにより国内の主役に返り咲いたとは言えないものの、家庭用ゲーム市場に踏みとどまることには成功したと言えるでしょう。PlayStationブランドを「Switch 2では物足りないゲーマー向け」の選択肢として維持し、次世代機PS6へとバトンをつなぐための戦略なのかもしれません。
京都大学法学部大学院修士課程卒。著書に『宇宙政治の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。現在はGadget GateやGet Navi Web、マグミクスで記事を執筆中。