東京新聞の「高市叩き」に悪意を感じる…「奈良のシカ」を使って落選運動に突っ走るマスコミの非常識(プレジデントオンライン)
自民党総裁選で高市早苗氏の“奈良のシカ”をめぐる発言が注目を集めている。ジャーナリストの須田慎一郎さんは「東京新聞などのマスコミが高市氏の発言を報じ、炎上した。高市候補に対して『排外主義者』といったレッテルを貼り、批判する意図が感じられる。これは報道ではなく、“言われなき中傷”に近い」という――。 【写真をみる】筆者に寄せられた鹿虐待写真 ※本稿は、須田慎一郎氏のYouTubeチャンネル「ただいま取材中」の一部を再編集したものです。 ■高市氏の「鹿発言問題」が尾を引いている 一向に沈静化せず、収束の兆しが見えない「高市早苗 自民党総裁候補の“鹿発言”問題」について、徹底的に取材を行った。発端は9月22日、自民党総裁選の所見発表演説の場において、高市早苗候補が、地元奈良市の奈良公園で外国人による鹿への暴行の可能性を指摘したことである。 正確な発言内容を紹介すると、「奈良の鹿を足で蹴り上げる、殴って怖がらせる人もいる。外国から観光に来て、日本人が大切にしているものをわざと傷つけようとする人がいるとすれば、それは何かが行きすぎている」というものであった。 この発言に対し、いち早く反応したのが東京新聞である。 9月23日付の朝刊記事2面において、「奈良のシカ虐待、人物未特定なのに……高市、外国人と決めつけ」との見出しが掲載された。この見出しを読む限り、高市早苗候補に対して「排外主義者」といったレッテルを貼り、批判する意図が感じられる内容であった。
■東京新聞の見解は「外国人の暴行は横行していない」 では、事実関係として実際にそうした事案が存在したのか否かについてだが、東京新聞は「外国人の暴行が横行していることはない」という立場を取っているのである。 その根拠となっているのは、東京新聞の記者が奈良県側に取材を行い、そこで得られたコメントである。東京新聞はその取材結果をもとに、外国人による鹿の虐待事案は確認されていないという認定を下した。 奈良県奈良公園室の担当者は、「毎日2回公園を巡回しているが、観光客による殴る・蹴るといった暴力行為は日常的に確認されておらず、通報もない」と説明した。それを受けて、記事本文では「外国人による暴行が横行しているという事実はない」との見解が示されている。 すなわち、記事は「高市候補の発言は事実に基づかない、すなわち虚偽である」との認定を行っているわけである。 ■筆者のもとには多数の虐待写真が寄せられた 私が違和感を持ったのは、SNS上で多数の暴行に関する映像や写真が共有されていた点である。それらには、外国人による暴行行為を示唆する動画や写真、地元住民が撮影した画像などが多数含まれていた。 そこで私はこの件に関し、改めて取材を行った。その結果、多くの写真や情報提供が寄せられたことから、「本当に暴行行為はなかったのか」という疑問が生じた。