ドイツ、7-9月の国債発行額を約2割引き上げ-軍事費急増を賄う

Kamil Kowalcze

  • 閣議で本年度予算と中期財政計画を承認、今年の公共投資は過去最高
  • ドイツ長期債は下げ拡大、30年債利回りは5月29日以来の高水準

ドイツは7-9月(第3四半期)の国債発行額を当初計画から約2割引き上げる。インフラおよび軍事支出の急増に加え、460億ユーロ(約7兆7400億円)規模の減税パッケージを賄うため、国債増発が避けられない様相だ。

  国債増発と減税は、軍備増強と経済再生に取り組む連立与党の看板政策の一部。メルツ首相が主宰した24日の閣議では、本年度予算のほか、2029年までの5年間に約5000億ユーロの純借り入れを行う中期財政計画を承認した。

  24日更新された計画に従うと、ドイツ連邦債務管理庁は7-9月に1185億ユーロの国債発行を目指す。昨年12月に公表された当初計画では995億ユーロとされていたため、190億ユーロ増額されたことになる。

  これを受けて、ドイツ長期債は下げを拡大。30年債利回りは一時10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して3.06%と、5月29日以来の高水準を付けた。

  ベルリンで記者会見したクリングバイル財務相は、今年の公共投資は1150億ユーロと過去最高に上り、29年までに年約1200億ユーロに増やすと強調。

  「内外の安全保障に巨額の投資を行う。ロシアの侵略によって欧州の平和が現実的に脅かされているからだ。抑止力と防衛の能力が必要とされている」と同財務相は語った。

原題:Germany to Sell More Debt to Fund Merz’s Growth, Defense Plans(抜粋)

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