米国株式市場=下落、パウエルFRB議長の講演に注目

 8月21日、米国株式市場は主要株価指数が下落して取引を終えた。ニューヨーク証券取引所で19日撮影(2025年 ロイター/Brendan McDermid)

[21日 ロイター] - 米国株式市場は主要株価指数が下落して取引を終えた。22日に予定されるパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演がタカ派的となれば株価が変動するとの懸念が重しとなった。また、小売り大手ウォルマート(WMT.N), opens new tabの四半期決算を受けて市場心理が悪化した。

市場の焦点はパウエル議長が講演する年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」だ。トレーダーは最近の雇用市場の弱さを受けて、9月の利下げに関する手がかりを探ろうとパウエル氏の発言に注目している。

CFRAリサーチのチーフ投資ストラテジスト、サム・ストバル氏は「FRBが利下げする確率は依然として80%程度となっているが、それが疑問視されている」と指摘。これが利益確定の動きにつながっているとの見方を示した。

LSEGがまとめたデータによると、市場では9月の25ベーシスポイント(bp)利下げ確率は先週の99.9%から79%に低下している。

8月の取引量は少なく、パウエル氏の発言後にボラティリティーが拡大する可能性が高い。

米取引所の合算出来高は122億8000万株だった。直近20営業日の平均は170億8000万株。

LPLファイナンシャルのチーフテクニカルストラテジスト、アダム・ターンクイスト氏は「あすのジャクソンホールでのパウエル議長講演を巡る懸念がリスク選好を若干圧迫しているのは確かだ」とし、「予想以上にタカ派的な内容になれば、相当の売りが出る可能性がある」と語った。

S&P総合500種(.SPX), opens new tabの主要11セクターでは9セクターが下落。主要消費財が1.18%安と下げを主導した。ウォルマートが21日発表した四半期の利益が3年超ぶりの予想未達となったことが背景。同社は関税によるコスト増加も指摘した。ただ、幅広い所得層からの強い需要が見込めるとして、通期の売上高と利益の見通しは引き上げた。 もっと見る
ウォルマートの株価は4.5%下落した。米国の関税が消費支出に与える影響を探る上で、今週はターゲット(TGT.N), opens new tabやホーム・デポ(HD.N), opens new tabなど他の小売企業の決算も注目される。
今週に入り見られていたテクノロジー株売りの勢いは弱まったようだが、エヌビディア(NVDA.O), opens new tab、メタ・プラットフォームズ(META.O), opens new tab、アマゾン・ドット・コム(AMZN.O), opens new tab、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD.O), opens new tabは引き続き軟調だった。
化粧品メーカーのコティ(COTY.N), opens new tabは21.4%の大幅安となった。米国の消費低迷で今四半期の売上高が減少するとの見通しが嫌気された。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.6対1の比率で上回った。

LSEGデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります ※米国株式市場

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