ドル信認低下の裏返し、新興市場国債が16年ぶりの大幅上昇を記録
Jorgelina Do Rosario、Vinicius Andrade
- ドル指数は上期に年初から約11%下落-1970年代以降で最悪
- ここまでドルが弱含むと予想していた人いなかった-アバディーン
米国の政策が不透明なことを受け、運用担当者らは代替資産を世界に求めている。こうした動きを背景に、新興市場国の現地通貨建て債券は上期として16年ぶりの上昇率となった。
こうした債券に対する需要急増は、おおむねドルに対する信認低下の裏返しと言える。ドル指数は1-6月に年初から約11%下げた。上期としては1970年代以降で最悪の騰落率だ。
ドルは23の主要な新興市場国通貨のうち、19に対して下げている。このうち10通貨に対しては10%以上の下落率。
ブルームバーグの集計データによれば、新興市場国の現地通貨建て債の指数は上期に12%を超えるリターンを計上した。これは少なくとも2009年以来の大きさ。ハードカレンシー(他国通貨と自由に交換可能な通貨)建て債券は同期間のリターンが5.4%にとどまった。
アバディーン・グループの新興国市場ソブリン債責任者エドウィン・グティエレス氏は「ここまでドルが弱含むと予想していた人はいなかったと思う」と指摘。「われわれは現地通貨建て債がハードカレンシー債を上回ると予想していたが、これほどの差がつくとは想定していなかった」と述べた。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)がEPFRグローバルのデータを引用して2日に明らかにしたところによると、新興市場国債ファンドには今年これまでに210億ドル(約3兆340億円)余りの資金が流入した。
ウィリアム・ブレア・インベストメント・マネジメントの債券担当マネジャー、ルイス・ジョーンズ氏は、新興市場国の利下げ見通しも投資妙味を高めていると指摘した。
原題:Dollar Doubters Seed Historic Gains for Developing World Debt(抜粋)
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