「バズリズム LIVE」超特急、RIP SLYME、NiziU、ワンエンらに横アリ熱狂!“HP0”になるまで燃えた初日

日本テレビ系で放送中の音楽番組「バズリズム02」によるライブイベント「バズリズム LIVE 2025」が、11月1日から本日3日まで神奈川・横浜アリーナで開催されている。

2015年に初開催され、毎年恒例のイベントとなっている「バズリズム LIVE」。11回目の実施となる今回は、横浜アリーナのステージを舞台に全27組のアーティストが熱演を繰り広げた。この記事では1日の「DAY 1」の模様をレポートする。

「BUZZER STAGE」KI_EN / Billyrrom / KOIAI

今回の「バズリズム LIVE」では、初の試みとして“未来のスターアーティスト”をフックアップする新ステージ「BUZZER STAGE」が用意され、初日にはKI_EN、Billyrrom、KOIAIの3組がライブを披露した。京都発のスリーピースバンド・KI_ENは「春風」でライブをスタート。野川爽良(G, Vo)のシルキーなボーカルと澤風雅(G)によるギターリフがさわやかに吹き抜ける純度の高いポップスをまっすぐに届けたかと思えば、橋本歩夢(Key)が奏でるブルージーなフレーズが印象的な「茶柱」でグルーヴ感たっぷりに観客を踊らせたりと、5曲というコンパクトなセットリストの中にも持ち前のポテンシャルと表現の可能性を存分に感じさせるアクトを見せた。

Rin(G)による軽やかなカッティングが誘う「Defunk」を1曲目に届け、曲中に展開されるソロ回しでバンドメンバー各々の高いパフォーマンス力を示したのはBillyrrom。ライブの中では「この曲が僕らを『バズリズム02』に出させてくれました」というRinの言葉からは「Funky Lovely Girl」が披露される場面も。6人によるファンキーで華やかなアンサンブルは心地よい高揚を誘い、オーディエンスも自由に体を揺らして彼らの演奏に身を委ねた。

桜田ミレイ(Vo)とわかざえもん(B)をコアメンバーとして迎え入れた5人組ガールズバンドのKOIAIは、今回が新体制初のライブ。Li-sa-X(G)の速弾きが炸裂する「Come see me」で初っ端から高い演奏スキルを示すと、独自のロックアレンジを施した宇多田ヒカル「Automatic」のカバーでも聴衆の耳を奪う。新曲「Starting Over」も披露するなど、意欲的なライブセットで“初陣”を駆け抜けた5人。最後に桜田は「また会いましょう!」とファンに約束した。

また、BUZZER STAGEではトークの公開収録も行われ、こちらには超特急からユーキ、タカシ、ハルの3名が登場。「バズリズム02」MCのバカリズム、進行の浦野モモアナウンサーとともに、今夏のライブツアーの思い出やエピソードトークで盛り上がる。NiziU・RIKUからの質問として「がんばったときの自分へのご褒美はなんですか?」という問いが投げかけられると、ハルは「僕は熊本に帰ることが自分へのご褒美です。地元愛が強いので、帰省ですね」と即答。コーヒー好きのタカシは「キンキンに冷えたアイスコーヒーを飲むこと。テレビを観ながら飲むのがブームです」と、ゲームマニアのユーキは「家から出ずにゲームすることですね。主に『APEX』をやってます」と語った。

T.N.T

今年の「バズリズム LIVE 2025」のトップバッターをド派手に飾ったのは手越祐也(Vo)率いるT.N.T。疾走感あふれる「Fast Lane」を1曲目に投下してスタートダッシュを決め、手越は「T.N.Tです、よろしく!」と名乗りを上げる。流麗なメロディラインを手越が持ち前の歌唱力で艶やかに歌い上げる「朧」を終え、ここでメンバー紹介を行うと、手越は今年始動したばかりのバンドを横浜アリーナのステージに招いた番組への感謝を表明し、リーダーのkyohey(Dr)は「以上のメンバーで熱いロックを届けにいきます!」と宣言した。

MCの中で「ノり方は僕がアテンドするので!」と頼もしく語った手越。その言葉通り「Starting Over」では「横浜アリーナ、みんなで!」と歌う彼のリードによって「Wow wow wow」というシンガロングが客席から沸き上がる。手越のフロントマンとしての圧倒的な求心力と、ラウドかつ緻密に交錯するバンドアンサンブルでオーディエンスを魅了したT.N.T。最後に音楽が持つパワーと未来への展望を語った手越はラストナンバーとして「第104回全国高校サッカー選手権大会」の応援歌に決まったロックバラード「未来へ」をコールし、バンドは凛としたサウンドを放つドラマチックな演奏でライブを締めくくった。

muque

2番手を務めたのは、「バズリズム」の恒例企画「今年コレがバズるぞ!」の2025年1位を獲得したmuque。4人はKenichi(G)のギターカッティングも軽快な「tape」でメロウにライブをスタートさせる。横浜アリーナの広いステージを右へ左へ、ゆったりとリズミカルに歩きながら歌声を届けたAsakura(Vo, G)。続く「456」では涼やかなトーンの中に確かな熱を感じるボーカルで「一緒に行こう」と歌い上げ「今日はよろしくお願いします!」とオーディエンスに呼びかけた。ダンサブルで遊び心に満ちた「feelin'」を歌い終えると、Asakuraは「2025年、『これバズ』1位をいただきました、福岡から来たmuqueです!」と名乗りを上げ「ジャンルレスな曲を持ってきたので、ぜひ好きな曲を見つけて帰ってほしいです!」と訴えた。

続く「nevermind」でバンドの演奏は一段と勢いを増し、Asakuraも聴衆の声を求めながら熱のこもった歌声を響かせる。中盤に用意されたKenichi、Lenon(B)、takachi(Dr)によるセッションタイムを経て、疾走するドラムンベースのサウンドとAsakuraの清涼感に満ちたボーカルが混ざり合う「The 1」では、エネルギッシュなバンドアンサンブルがアリーナの大空間に響きわたった。Asakuraの言葉通り、カラフルに弾ける楽曲の数々を届けたmuque。最後のナンバー「DAYS」で静寂と喧騒のコントラストを鮮やかに描き出して聴衆を圧倒し、さっそうとステージをあとにした。

ONE N' ONLY

横浜アリーナに熱い南米の風を吹かせたのは、3組目に登場したONE N' ONLY。ラテン音楽のエッセンスを取り込み、自身の音楽性を“JATIN POP”と標榜する彼らは、その代表曲とも言える「Fiesta」でド派手にライブをスタートさせ、SWAG(ONE N' ONLYファンの呼称)とのシンガロングで体感温度を急上昇させる。「この調子でブチ上がっていこうぜ!」。リーダー・HAYATOの呼びかけから「BOOM BASH」に展開すると、5人のパフォーマンスは一段とヒートアップ。ドロップパートの直前に差し込まれる特徴的なブレス音にHAYATOやREI、NAOYAは顔を歪め、その細やかな感情表現でもオーディエンスを魅了した。

MCタイムにHAYATOが「イベントとは思えないくらいみんなのパワーが団結してる!」と観客を称えると、EIKUは「ただいま!」と「バズリズムLIVE」への“帰還”を喜び「ひさびさに呼んでいただいてうれしいです。今日は1人残らずワンエンの虜にして帰します!」と力強く宣言した。「HOLIDAY」でパフォーマンスを再開させると、TETTAは「皆さん! いつもお仕事学校、お疲れ様です! この曲で一緒にバカになりましょう!」と言葉に力を込める。「“ワカチコワカチコ”という感じで脇を締めて!」という、TETTAの“迷ダンス指導”が客席を笑顔にしたこの曲で5人はこの日の出演アーティストの名を順に叫び、さらには「スタジオに呼んでくださーい!」という直談判も。続いて届けられた最新曲「Gooey」では程よい脱力感の中に情熱を内包するダンス&ボーカルで、確かなスキルに裏打ちされたステージを提示した。REIの容赦ないアジテートとパワフルなロングトーンが炸裂したロックナンバー「Burn it out」で客席を熱くさせた彼らが最後に投下したのはキラーチューンの「EVOL」。ステージの端から端まで大きく広がった5人が「JOIN! JOIN!」と煽り立てると客席からはリズミカルに「Hey!」という声が上がる。強い一体感が形成された大空間の真ん中で、HAYATOは高揚のままに「バズリズムLIVE、最高だぜ!」と叫んだ。

NiziU

1日目唯一のガールズグループ・NiziUの9人の後ろ姿が光の中に浮かび上がると、客席からは「わあっ!」とにわかに歓声が。アイコニックな“縄跳びダンス”に心弾む「Make you happy」をオープニングナンバーとして届けた彼女たちは曲中に「いくよ!」と声を上げてファンを巻き込んでいく。「バズリズムLIVE、盛り上がっていきましょうー!」というMAYAの声かけから届けられた「SWEET NONFICTION」では、可憐なパフォーマンスに乗せて甘い恋心を歌い上げた9人。続く「What if(Japanese ver.)」では一転、さわやかなバンドサウンドに乗せてタオルを振り、「Hey! Hey!」のコールで熱い一体感を作り出していった。

3曲を終えて自己紹介を済ませると、MAYAは「4回目の出演になりました、ありがとうございます! 今回も盛り上がっていきましょう」とコメント。そしてNINAの熱い声出しから「All right」「CLAP CLAP」へと展開すると、RIMAやAYAKAのパワフルなラップやNINAのロングトーンが炸裂する。これらの楽曲で9人はクールかつアグレッシブなダンスを見せ、“かわいい”だけじゃないパワーをたたえたそのパフォーマンス力で観衆を圧倒してみせた。客席との交流を楽しんだMCを経て、終盤に披露された最新曲「♡Emotion」はSNSのストーリーズをテーマにしたラブソング。隣合うメンバー同士でハートマークを形作るポーズもキャッチーなこの曲でときめきを運んだ9人が最後に届けたのは「Take a picture」。MIIHIの「ラストも盛り上がっていけますか?」という呼びかけに応じた聴衆はNiziUと一緒にカウントアップの手振りを踊る。華やかに楽しげなムードの中、9人はカメラに次々と決めポーズを向け、その弾ける笑顔をオーディエンスの心に焼き付けていた。

RIP SLYME

RIP SLYME is Back!」。心踊るRYO-Zの宣言に乗せて姿を見せたのは、1年限定で再集結中のRIP SLYMEだ。「STEPPER'S DELIGHT (2025 VER.)」から「Super Shooter」へ、滑り出しから軽やかにフロアの温度を上げていく4MC+1DJに、オーディエンスもハンズアップで応じる。「このステージこそまさに楽園だ!」の声からスピンされた「楽園ベイベー」では、SUが「なぜか“かわいいバズリズムベイベー”」とこの日ならではのフレーズで客席に呼びかけ。RYO-Zのヴァースに加えられた洒脱なアレンジや随所で繰り出されるDJ FUMIYAのスクラッチも鮮烈で、23年前からサマーシーズンを彩り続けるキラーチューンの最新形をエネルギッシュに提示してみせた。

4MCがスピーディなマイクリレーで勢いを加速させた再集結後初のシングル曲「どON」のラストには、PESが「どうも、超特急です」と宣言して8号車(超特急ファンの呼称)を沸かせるひと幕も。FUMIYAがターンテーブルから乗り出してラップを炸裂させた「JUMP」で客席中のジャンプを誘って盛り上がると、RYO-Zは「最高のフェスじゃないですか!」と声を上げる。柔和でリラクシンな空気感をまといながらも、その奥に熟練のスキルを潜ませる5人の真価が発揮されたパーティチューン「熱帯夜」「JOINT」の連投を経て、RS5が届けたのは「ONE」。郷愁誘うイントロにSUの深く響く声が重なると、客席からはにわかに歓声が上がる。エバーグリーンな輝きを放つ名曲に乗せ、最後に温かなメッセージを伝えた5人。曲を終えると、SUは「次は超特急だ、やった~! 僕らも観ちゃう!」とおちゃめなひと言を残してステージをあとにした。

超特急

バカリズムの「HPを使い切るくらい盛り上がりましょう!」という紹介を経て、初日のトリを飾ったのは「バズリズムLIVE」常連アーティストの超特急。電車の発車ベル音に誘われステージに現れた9人は、キラーチューン「Kiss Me Baby」で勢いよくライブの火蓋を切った。この曲のセンターを務めるユーキが燃える瞳で「心から叫べー!」と声を上げると8号車は頼もしいコールでユーキに返答し、アリーナは1曲目から大きな一体感に包まれる。初速からトップスピードの勢いを見せる9人は2曲目に「Re-Booster」を投下して勢いをブースト。7人のメインダンサーがつなぐラップのリレー、タカシとシューヤによる磐石のボーカルで1人ひとりの個性を叩き付け、タクヤやユーキはダイナミックなアクロバットでも歓声を誘った。

自己紹介ではタクヤが「今日は帰らせない!ってくらいの気持ちでパフォーマンスさせていただきます」と宣言。ユーキは直前のRIP SLYMEのアクトを受けて「RIP SLYMEの皆さんがくださった最高のバトンをつないで、今日を最高の日にしましょう!」と約束した。ここで超特急が届けたのは最新ナンバーの「NINE LIVES」。爪研ぎやマタタビなど、猫を思わせるモチーフを織り込んだキャッチーなダンスで妖しく魅了したかと思えば、続く「Spice」ではパワフルな重低音を乗りこなす力強いダンス&ボーカルで確かなスキルを提示……と、多面的な魅力を次々に放出していく。

フレンドリーな佇まいと実直な全力のパフォーマンスでその場に居合わせた人を1人残らず“8号車”に引き入れていく、フェス巧者の超特急。終盤にはそんな彼らが真骨頂を見せる灼熱のアッパーチューン「メタルなかよし」「超えてアバンチュール」が連投された。「超えてアバンチュール」では、この曲を牽引するリョウガが念力で炎を操っているかのようにアピール。バカリズムの“HP発言”を「MP(マジックポイント)」と言い間違えたユーキのドジを回収する“魔法”でメンバーと観客を楽しませる。するとラストナンバー「バッタマン」では、センターのハルが「この曲で皆さんのHPを吸い取っちゃうよお~!」と鮮やかに白目をむき、鬼気迫る煽りで客席中の声を要求。しまいにはステージを飛び出し、メンバーの「ハルがんばれ!」という声を受けながらアリーナ周回通路を激走するという破天荒で会場中を熱狂の渦に巻き込んだ。“HP0”になるまで、ステージに全力を注ぎ切った9人。冷めやらぬ余韻を置き土産に、翌日のアクトへとバトンをつないだ。


Page 2

関連記事: