インドネシア、米国との通商合意は奮闘の成果 首脳も直接交渉
[ジャカルタ 16日 ロイター] - インドネシアのナスビ大統領報道官は16日、米国との貿易協定について、経済担当調整大臣が率いる交渉団の「並外れた奮闘」の結果、米国のインドネシア製品に対する関税率が当初の32%から19%に引き下げられたとの見解を示した。
ナスビ氏は記者会見で、プラボウォ大統領もトランプ米大統領と電話で直接交渉したと明らかにした。
プラボウォ氏は自身のインスタグラムアカウントで、トランプ氏と「非常に良い電話会談」を行ったと述べ、インドネシアと米国は貿易関係を新たな時代へと進めることで合意したと表明した。
同大統領はその後、政府は貿易交渉における米国の利益を理解しており、両国は合意に達した後も引き続き交渉を続けるとし、「われわれは提案した。これ以上の提案はできない」と語った。
インドネシア中央銀行は今回の合意について、輸出と経済成長にプラスの影響を与え、金融市場に確実性をもたらすとの見方を示した。
ナスビ氏は今回の合意は両政府間の「妥協点」との認識を示し、インドネシア製品に課される関税率は東南アジアの他の国に比べてはるかに低い水準だと指摘した。
インドネシアの株価指数は16日、米国との通商合意を受けて一時0.8%上昇した。一部のアナリストは今回の合意が経済活動にプラスの効果をもたらすと指摘している。
シティ・インデックス(ブリスベン)のシニア市場アナリスト、マット・シンプソン氏は「インドネシアの履物や繊維など非石油製品の輸出は打撃を受けるが、エネルギーや農業部門は恩恵を受ける」との見方を示した。
ナティクシスは、インドネシア最大の貿易相手国である中国に対するトランプ氏の関税がインドネシア経済に影響を及ぼす可能性があると警告した。
メイバンク・インドネシアのエコノミスト、ミルダル・グナルト氏は、インドネシア製品に課される関税が他の東南アジア諸国より低いため、比較的良好な結果との見方を示した。また「今回の合意は(インドネシア中銀の)政策金利引き下げの余地を広げるものだ」と述べ、資本流入を促すと予想した。
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