カーリング フォルティウス涙の五輪挑戦権 貯金取り崩した生活…因縁の稚内で「諦めなくてよかった」

 ◇カーリング 日本代表決定戦最終日(2025年9月14日 北海道・稚内市みどりスポーツパーク) 【写真あり】カー娘・藤沢五月 まるで別人!激変黒ビキニ筋肉美  26年ミラノ・コルティナ冬季五輪に向けた代表決定戦の女子決勝が3戦先勝方式で行われ、フォルティウスが3勝2敗で代表に決まった。SC軽井沢クラブに7―6、6―5で2連勝して逆転。スキップの吉村紗也香(33)が最終10エンドの最終投で「指1本分」の差で決勝の1点をもぎ取った。悲願の五輪出場権を懸け、12月にカナダで行われる最終予選に臨む。  4年前の忘れ物を取りにきた。同点で迎えた最終戦、最終エンドの最終投。フォルティウス吉村は、反時計回りのドローショットを放った。ストーンはハウスの中心付近へ。SC軽井沢の石とNo・1はどっちか。両チームの確認を経て、その差はわずか「指1本」。勝利が決まるとメンバーは涙を流して抱き合い、試合前に練習した喜びのポーズを決めた。吉村は思った。「諦めなくてよかった」。ここ稚内で流した悔し涙を、喜びの涙に変えた瞬間だった。  2度の崖っ縁からはい上がった。1次リーグで開幕2連敗。負けたら終わりの状況から2連勝し、宿敵ロコ・ソラーレと一発勝負のプレーオフも勝利した。決勝でも第1戦で敗れ、後がない状況からもぎ取った2勝。近江谷は「執念だった」と胸を張った。  この稚内のアイスで流した涙を忘れていない。「北海道銀行」として臨んだ21年の前回大会。ロコとの一騎打ちで、2連勝後に3連敗を喫した。北京五輪を逃すと同年11月には北海道銀行とのスポンサー契約が終了。「本当に何もなくなってしまった」と近江谷。約7カ月、貯金を取り崩して生活。海外遠征費はクラウドファンディングで集めた。それでも、五輪を目指すことを諦めなかった。  1児の母でもある吉村にとって、10年バンクーバー五輪から数えて5度目の挑戦だ。「技術もメンタルも強くなった」と成長を実感する。出場権が懸かる12月の最終予選へ、「何が何でも取りにいく」と司令塔。ラテン語で「より強く」を意味するフォルティウス。今度は世界の舞台で強くなった姿を見せる。 (中村 文香) 【SC軽井沢ク 力尽く】  SC軽井沢クは最後に力尽きた。代表へあと1勝で最終日を迎えたが、2試合続けて最終第10エンドに決勝の1点を許した。スキップの上野美は涙。それでも、「みんなで諦めずにプレーできた。ここまでできた自分たちを誇りに思う」と気丈に話した。出場4人の平均年齢22.8歳と若いチーム。妹の上野結は「もっと成長して勝ち切れるチームになりたい」と前を向いた。  ▼カーリングのミラノ・コルティナ冬季五輪最終予選 12月5日からカナダのケロウナで開催される。4人制は男女ともに8チームが参加し、残り2枠の五輪切符を争う。総当たりの1次リーグを経て、上位2チームによる決定戦で1枠目が決まる。敗者は3位チームと最後の1枠を懸けて対戦する。日本は出場枠を確保すれば、そのチームが五輪代表に決定する。

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