首位ピアストリ、2大連続記録を絶った「愚かな凡ミス」―クラッシュの真相と”救い”を語る / F1アゼルバイジャンGP《決勝》2025
オスカー・ピアストリ(マクラーレン)は、2025年F1第17戦アゼルバイジャンGPを「散々な週末」と総括し、「愚かな凡ミス」を犯したことを悔やみつつも、この厳しい状況の中にさえ「救い」を見出している。
予選ではクラッシュを喫して9番手に甘んじ、決勝では痛恨のジャンプスタートに加えてアンチストールが作動。最後尾へ転落しただけでなく、1周目のターン5で壁に衝突してリタイアを喫した。
これにより34戦連続入賞記録、そして44戦連続完走記録(歴代2位)は途絶え、ドライバーズ・ランキングにおける2位ランド・ノリスとの差は31点、3位マックス・フェルスタッペンとの差は69点に縮まった。
ピアストリはレース後、「スタートのタイミングを過剰に意識し過ぎて、愚かな凡ミスをしてしまった」と振り返った。クラッシュについては「ダーティーエアを十分に予測できず、明らかにオーバースピードでコーナーに入ってしまった」と自己分析した。
さらに、「グリップレベルの低さを読み誤ってしまった。でもそれは言い訳できるものじゃない。必要な判断を適切なタイミングでできなかった。もちろんガッカリしてる」と悔しさを口にした。
ただ、ピアストリはバクーでの自身のパフォーマンスに手応えも感じていた。「金曜日は厳しい1日だったけど、土曜日はかなりのポテンシャルがあったと思う。でも、いくつものセクターでかなりの速さがあったのに、まとめ切れなかった」と週末全体を振り返った。
「予選はご覧の通りで、今日は更に愚かな凡ミスを何度も犯してしまった。確かに散々な週末だったけど、もし僕が単に遅くて、それを挽回しようとしてミスを連発していたのであれば、もっと心配すべきところだけど、実際には単なる判断ミスだったから、ポジティブに考えればそれは救いだね」
「もちろん、それは僕が望むところじゃないし、特に(レースに向けてマシンを修復してくれた)メカニックには本当に申し訳ない気持ちだよ」と付け加えた。
ピアストリはジャンプスタートのペナルティとして5秒ペナルティを受けた。レース中に消化できなかったが、リタイヤに終わっているため、次戦以降に持ち越されることはない。
チーム代表のアンドレア・ステラは、今回のピアストリの不振はシーズンを通じた「一度きりの出来事」になると確信している。
「私は何度もタイトルを取ったドライバー達と仕事をした経験があるが、こうした週末は誰にでもある。これまでの2025年シーズンで最も安定しているのはオスカーだ。こういう事は起こり得るし、むしろこういう時にこそ最も学べるものだ。もっと強くなり、改善し、依然として彼がタイトル争いの本命として踏みとどまるための学びをね」
2025年F1第17戦アゼルバイジャンGPは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポール・トゥ・ウインで制し、キャリア通算67勝目を挙げた。2位にはジョージ・ラッセル(メルセデス)、3位にはカルロス・サインツ(ウィリアムズ)が入り、移籍後初の表彰台を獲得した。
次戦はマリーナベイ市街地コースで開催されるシンガポールGP。10月3日にフリー走行1が行われ、ナイトレースの週末が幕を開ける。