米国株式市場=ダウ・S&P上昇、終盤に買い GDPが重し
4月30日、 米国株式市場はダウ工業株30種とS&P総合500種が上昇して取引を終えた。ニューヨーク証券取引所で28日撮影(2025年 ロイター/Brendan McDermid)
[ニューヨーク 30日 ロイター] - 米国株式市場はダウ工業株30種(.DJI), opens new tabとS&P総合500種(.SPX), opens new tabが上昇して取引を終えた。第1・四半期の国内総生産(GDP)統計が3年ぶりのマイナス成長を示したことを受け、株価は終始マイナス圏で推移していたが、終盤に買いが入った。
実質GDP速報値は年率換算で前期比0.3%減少。市場予想(0.3%増)に反し、2022年第1・四半期以来のマイナス成長となった。 もっと見る
一方、米経済活動の3分の2以上を占める個人消費支出は3月に0.7%増と、市場予想の0.5%増を上回った。 もっと見る
企業と消費者が関税を避けるために支出を前倒しし、GDPも個人消費も貿易戦争の影響を受けたとみられる。
トランプ政権の高関税と予測不可能な貿易政策の影響が表れ、米経済の先行き不透明感が強まっていることを示す指標が増えている。
ADPリサーチ・インスティテュートの4月全米雇用報告によると、民間雇用者数は6万2000人増となり予想以上に鈍化。5月2日発表の米雇用統計でも非農業部門雇用者数の伸びが鈍化する可能性を示唆した。 もっと見る
プラス面としては、インフレ指標が3月に物価圧力の緩和を示し、景気停滞とインフレが同時に起きるスタグフレーションを巡る懸念が幾分和らいだ。
ハリス・ファイナンシャル・グループのマネジングパートナー、ジェイミー・コックス氏は、輸入の急増を考慮するとGDPの数字がそれほど悪くなかったことに驚いたと述べた。
その上で、実質的な最終需要は依然としてかなり強いとの見方を示した。
ダウは一時1.9%、S&Pは2.3%、ナスダック総合(.IXIC), opens new tabは2.9%それぞれ下落していた。
この日は主要消費財(.SPLRCS), opens new tabなどの上げが目立った。同セクターは0.7%高。英チョコレートメーカーのキャドバリーを抱える米食品大手モンデリーズ(MDLZ.O), opens new tabが予想を上回る決算を受けて3.8%上昇したことなどが寄与した。
サーバー大手スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI.O), opens new tabは11.5%急落。第3・四半期(2025年1―3月)の売上高と利益の見通しを引き下げた。 もっと見る
画像共有アプリ「スナップチャット」を運営するスナップ(SNAP.N), opens new tabも12.4%の大幅安。第2・四半期の業績見通しを発表しない方針を示した。
ダウの構成銘柄であるキャタピラー(CAT.N), opens new tabは四半期決算がさえず、株価は乱高下した後、0.6%高で終了した。
引け後に発表した決算が予想を上回ったメタ・プラットフォームズ(META.O), opens new tabは時間外取引で4%超上昇。 もっと見る
マイクロソフト(MSFT.O), opens new tabも売上高が予想を上回り、株価は引け後に6%近く上昇した。 もっと見る
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.19対1の比率で上回った。ナスダックでも1.28対1で値下がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は169億7000万株。直近20営業日の平均は195億7000万株。
LSEGデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります ※米国株式市場
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