【東京ヴェルディユース レポート】鹿島アントラーズユース戦(12
東京ヴェルディユースは14日、AGFフィールドで高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ2025 EAST第22節で鹿島アントラーズユースと対戦。今季の公式戦最終戦を2-4の敗戦で終えた。
今季2度目の現地取材となった一戦のマッチレポートを試合後コメントを中心にお届けする。
スタッツ
東京ヴェルディユース 2-4 鹿島アントラーズユース
◆得点者【東京Vユース】
82分 仲山獅恩
90分 下吉洸平【鹿島】6分 吉田湊海
25分 髙木輝人64分 オウンゴール70分 髙木輝人
▽東京Vユース メンバー[3-4-2-1]GK:山﨑琉聖DF:今井宏亮、山田将弘、中村宗士朗MF:千葉大輔→(73分 原田爽潤)、下吉洸平、舛舘環汰、木下晴天
FW:今井健人、仲山獅恩、寺村智晴→(73分 杉山まはろ)
圧倒的な個と球際に屈する…
脅威となった吉田前回の現地取材は9月6日にヴェルディグラウンドで行われた第12節の川崎フロンターレU-18戦(3-3△)。以降は試合結果やハイライトで追いつつ、3カ月ぶりの取材は今季の最終節となった。今回の取材ではその期間での変化や成長にフォーカスした。
前期の対戦では3-0の勝利を収めたものの、プレミアリーグEASTをダントツの強さで制した鹿島相手に今季の集大成を見せるべく臨んだ一戦。
東京Vユースの初期配置はトップチームと同じ[3-4-2-1]、対する鹿島もトップチームと同じ[4-4-2]を採用した。
互いにキックオフ直後はリスク回避の長いボールを使いながら様子見の入りとなったが、アウェイチームの傑出した個にいきなりゴールをこじ開けられる。6分、後方から丁寧につないだ鹿島に前進を許すと、ボランチのMF倉橋幸暉からパスを受けたFW吉田湊海に爆発的なスピードと切れ味鋭い仕掛けでボックス内への侵入を許し、左足の正確なシュートを流し込まれた。
すでにトップチームデビュー済みでU-17日本代表でも主力を担う鹿島の“ゴールデンボーイ”に出ばなを挫かれる鮮烈なゴールを奪われたホームチーム。9分には右サイドの背後に飛び出したFW今井健人を起点に左へ展開し、ゴール前に走り込んだFW仲山獅恩にファーストチャンスが訪れるが、力ないヘディングシュートはGK大下幸誠にキャッチされる。
以降はトップチームにも通じる球際・プレスの強烈さに献身的なプレスバックも光るアウェイチームに局面のバトルで劣勢を強いられ、ウイングバックや3バック脇のミスマッチも活かせず。ボールの前進に苦戦。さらに、中盤でボールを失う場面が多く、そこを吉田、FW髙木輝人の2トップ、U-17日本代表でも活躍する左サイドハーフのMF平島大悟に突かれてピンチを招いた。
制空権を握られたセットプレーやミス絡みで与えたゴール前での髙木の決定機はGK山﨑琉聖のビッグセーブなどで凌いだが、25分には自陣でのルーズボールの競り合いでことごとく上回られた末、ゴール前に抜け出した髙木にコースを狙った正確なシュートを流し込まれ、厳しい2失点目を喫した。
この連続失点によって腹をくくったか、徐々に前への矢印を強めたホームチーム。MF下吉洸平とMF舛舘環汰の2ボランチがボールサイドに顔を出しながら、右サイドは今井健の背後への飛び出しを、左サイドではMF木下晴天の積極的な縦への仕掛けによってサイドを起点に攻め筋を見いだしていく。
そして、32分には横への揺さぶりの連続からボックス右角で前を向いた仲山の鋭いミドルシュートで相手GKを脅かすと、36分にも今井健の右クロスをゴール前に飛び込んだ背番号10が頭で合わせたが、いずれも反撃の狼煙を上げるゴールとはならなかった。
敗戦も最後に見せた意地
下吉が意地のゴラッソ2点ビハインドで迎えた後半、小笠原資暁監督はハーフタイムでメンバーを入れ替えることなく同じ11人をピッチへ送り出した。それでも、前半に比べてボール保持の際に各選手の立ち位置、プレー選択の部分でヴェルディらしい強気な姿勢が出始めると、後半は相手陣内でのプレータイムが増えていく。
その流れでボックス左に抜け出した仲山のシュートやセットプレー流れでの今井健のミドルシュート、FW寺村智晴と木下の左サイドも積極的にフィニッシュに絡んでいく。だがしかし自分たちの時間帯でゴールを奪えずにいると、64分にはカウンターから平島の馬力のある仕掛けで局面を打開されると、ポケットに侵入してGKをつり出した髙木の折り返しがオウンゴールを誘発。後半最初のゴールも鹿島に奪われた。
さらに、仲山の意表を突くロングシュートでゴールに迫った直後の70分にはDF岩土そらの左クロスを途中出場のFW長疾風にファーで頭で折り返されると、ゴール前でフリーの髙木にヘディングで叩き込まれて今季ワーストとなる4失点目まで奪われた。
この連続失点で試合の大勢は決したが、3年生のラストゲームでもある今季最終戦をこのままでは終わらせられない。そういった気迫をピッチ内、応援席から熱くほとばしらせた緑の一団はここから意地を見せる。
失点後の73分にMF千葉大輔、寺村を下げてMF杉山まはろ、MF原田爽潤を左右のウイングバックに投入。この交代で木下がより攻撃的な左シャドーにポジションを上げた。
高精度の左足と推進力を特長とする左ウイングバックと木下の勝負度胸満点の左サイドを起点に深い位置まで侵入する機会を増やすなか、82分にはここまで幾度かのチャンスを逃していたエースがようやくお目覚めの一撃。原田、舛舘のパス交換からボックス左に抜け出した仲山が左足の鋭いグラウンダーシュートをゴール右隅に突き刺す。
この1点で完全に流れを掴むと、84分には仲山のお膳立てから杉山が相手GKにファインセーブを強いる強烈なシュート。直後にはボックス内でのDF中村宗士朗、木下の連続のチャレンジからPKを獲得する。だが、先日の昌平高校戦でのリベンジを期した仲山のPKは相手GKの見事なセーブに阻まれて痛恨の失敗に。
これで良い流れが途切れたかに思われたが、90分には右サイドからのスローインを起点にDF今井宏亮、舛舘、今井健と中央でつなぐと、最後は下吉が圧巻のダブルタッチを駆使した突破からGKのタイミングを外す左足シュートをゴール左隅に流し込むファインゴールで、エースのPK失敗を見事にカバーした。
その後、4分が加えられた後半アディショナルタイムには仲山の裏抜けからの折り返しに反応した杉山に決定機が訪れたが、このシュートは惜しくもGK正面。試合は2-4のスコアでタイムアップを迎えた。
悔しさ残る8位フィニッシュ
プレミア復帰1年目は8位相手の圧力にうまく対応できなかった前半の内容に悔いが残ったが、この年代では異次元のレベルにある吉田を筆頭に、DF元砂晏翔仁ウデンバと平島の2年生コンビ。来季トップチーム昇格内定のDF大川佑梧ら鹿島の粒揃いのタレントのクオリティ、今季9季ぶりのJ1制覇を果たしたトップにも通じる勝負強さは「敵ながらあっぱれ」だった。
後半に関してはリスク管理の問題で先に2失点した部分は頂けなかったものの、自分たちのスタイルを最後まで貫く姿勢。先日のトップチームの今季最終戦を彷彿とさせる“諦めない姿勢”を示した戦いぶりは、魂を揺さぶるものだった。
厳密には城福ヴェルディとプレースタイルや特徴は異なるものの、『ブレない戦い方』や『諦めの悪さ』をみると、やはり“ヴェルディのDNA”が色濃く流れるチームであることを再認識できた。
11年ぶりのプレミアリーグ昇格を果たした1年目は、昇格の勢いに乗って駆け抜けた前期の躍進、主力の離脱や2巡目の難しさに苦しめられた後期の失速の末、8勝5分9敗の8位フィニッシュ。残留という最低限の結果を残した一方、本気で優勝を目指していたチームにとってはより悔しさが残る1年となった。
優勝チームとの今回の一戦を通じても、自分たちの特長を示せれば、どのチームとも渡り合える自負はある。そのうえでより結果につなげるために必要なこともわかった。
小笠原監督は、今季痛いほど感じた上位チームとのフィジカル差を埋める努力を意識しつつも、「より巧く、より賢く」という、ヴェルディ伝統のスタイルを突き詰めて来季の巻き返しを狙う。
「どこのチームとやっても(自分たちの方が)平均身長が低いし、平均体重でも今日は5cm、5kgぐらい違う。ひどい時は10cm、10kgとか違うなかで、僕たちのメインの武器はそれじゃないですけど、そこも戦えるぐらいにしていかないと、そのメインの武器も消されるシーンが多いなというのを感じました。シーズン前からわかっていたことではありますけど、そこがうまく積み上げられなかったかなという気はします」
「(必要なのはフィジカルと志向するスタイルの追求の)両方だと思いますが、僕はやっぱりカラーが出ている方がいいなと思うので、もちろんサイズの話はあるけど、でもそのサイズ(の差)があるなかで、球際で『せーの』でやったら負けるところを、駆け引きで足の出し方でこっちに持ってこれるかどうかとか、足が遅いんだったら相手を騙して走ったら、そのぶんこっちが速く見えるだろうし、そういうところがこのチームは一番大事で、それが勝り続ければ、もしかしたらこの10cm、10kgも関係ないかもしれない。そうは言っても、上(トップチーム)に行ってそれだけでは通用しないと思うので、やっぱり両方が大事かなと思います。それでも、一番はその幹となるのは絶対により巧く、より賢くというところが一番大事かなと思います」
試合後コメント
◆小笠原資暁 監督――試合総括「勝たせてやれなかったので、それが一番悔いが残る。ここまでできたことはいっぱいあったなと、試合を見ているとそこが一番感じるところです。それでも、最終戦で4点食らったら普通は心折れそうなものですけど、それでもちゃんと返しに行ったというのは誇らしかったですね。失点しないで 2点入れられるのが一番良かったので、ベストゲームじゃないですけど、良い部分もあったかなという感じですね」
――プレミアリーグを1年戦ってみて「本当にどこも良いチームなので、 1試合1試合が本当に難しいですけど、でももっと良い練習したらもっと良いゲームができて、きっと優勝できたんじゃないかなという心残りがあります」
――残留できた一番の要因は「たぶん残ることを目指さなかったからかなと思います」
――成績的に苦しんだ後半戦の戦い「過程のなかで自分たちがずっとボールを握ってサッカーをしたくて、前半戦はもう少しカウンターの多いゲーム展開だったんですけど、自分たちがしっかりボールを握るなかで、そうすると相手がしっかりブロックを作る時間を与える。そこを崩し切りたかったけど、崩し切れない。ボール保持の時間が伸びたのは成長ですけど、そこからゴールを割るというところとか、逆にカウンターを受けずに、というところが本当に課題になったかなと思います」
――得点王に輝いた仲山獅恩に対する評価「いつもいろいろあるなかで苦悩しながらやったと思うんですけど、やっぱり最後に10番の仕事をするというところは常に意識してくれましたし、そういう結果も出してくれた。そういう重責を担って1年間やったというのが、一番の彼の財産じゃないかなと思います。ただ、まだまだ完璧じゃないので、もっともっと上を目指してやってほしいなと思っています」
――今季の3年生の特徴「気持ちが強いやつが多いですね。それがゆえのトラブルもいっぱいあるんですけど、サッカー選手の根底に、そのマグマみたいなものは絶対必要だと思うので、そういうのがある選手が多い集団だったなと思います。個が際立つというか、全員の気持ちが同じぐらい強いなとは感じます」
――3年生にはここからどんなサッカー人になってほしいか「僕はサッカーコーチなので、もちろんサッカーが上手くなってほしいですけど、一番はかっこいい男になってほしいなと。それはいつも思っているので、人間的にも。今日も(今井健人が)文句を言ってイエローカードをもらっていましたけど、その熱さを持ちながらも、『サッカーは子供を大人にして、大人を紳士にする』という言葉があるので、ここから大人になって紳士になって、もう一回子供に戻ってきてくれたら一番うれしいなと思います」
◆MF 仲山獅恩
今季のプレミアEAST得点王――試合の振り返り「個人的には決定機が多いなか、1点しか取れなかったというところで、4点取られましたけど、自分のところで4、5点取れてもおかしくないゲーム内容だったので、本当に自分のせいで負けたという、そこに尽きます。舞台は変わりますけど、決定機で決めないと世界では通用しないと思いますし、そういう一個一個の自分の質というところをもう少し上げていかないといけないなと感じた試合でした」
――ゴールシーンを振り返って「自分はああいう形を常に前半から意図を持ってやっていたので、なかなかボールが入ってこなかったのは自分のもらい方だったりという部分が大きかったので、少し立ち位置を変えてみて、あのスペースができたところでボールをもらえれば、自分でいけると思ったので、あのゴールはポジショニングが良かったかなと思います」
――後半は相手を押し込む戦いもできた「ちょっと前半は全体的に4番の今井(健人)以外の選手はボールに関わるというところができていなかったので、後半修正する部分では、自分が逃げずにボールをもらって展開していけば、自然と自分たちのペースになるというのを伝えたので、それが後半うまくいきました。ただ、攻めに転じると、ああいうカウンターでの失点というのはあるので、そのリスクというところのバランスが取れなかったので、本当に1、2年生はそういうところを経験してもらえたと思うので、来年頑張ってもらいたいなと思います」
――残留を決めて後輩たちにバトンを渡せた「自分たちは下から上がってきましたけど、優勝というところをもちろん狙ってやっていましたし、残留はほとんど(目標として)考えずに優勝争いというところを目指していたので、自然的にその残留というのはできましたけど、まだまだこんなチームじゃないと思うので、ヴェルディを背負って戦う選手は負けていい試合がひとつもないと思うので、そういうところを自分たちができなかったぶん、1、2年生には良い舞台があると思うので、頑張ってほしいなと思います」
――初めてプレミアリーグを戦ったこの1年について「自分たちのサッカーができれば、どの相手とやったとしても、少し球際の強度だったりというのは上がるかもしれないですけど、主導権を握れれば、どこの相手も変わんないと思うので、自分たちのサッカーができれば、どこの相手にも勝てるよというところが、わかったと思うので、そういうところを来年活かして頑張ってほしいなと思います」
――今季16得点でプレミアEAST得点王に。数字面を含めた自身の評価は「まだまだだと思うので、そこは謙虚に。(得点王を)取れたことはひとつ喜んでもいいかもしれないですけど、全然納得してないので。得点というところでは、プロになったらそこがどれだけ良い動きをしていても見られるのは得点だと思いますし、アシストだったり、そういう数字は上げられるところは、どんどん上げていかないといけないなというのを、この1年で感じました」
「数字的には全然満足いくような数字じゃないですし、決めるところで決めないとこういう展開になりますし、そこに関してはチームがという問題ではなくて、個人の責任だと思うので、本当にチームメイトは頑張ってくれましたし、この順位にいるのは自分の責任だと思うので、みんなは気にせず頑張ってもらいたいなと思います」
――個性の強い3年生をどうまとめたか「自分たちの世代は元気があって、ただその元気がありすぎる面で、試合の入りの部分が毎試合悪いので、そこを最後まで改善できなかったのは、自分の声掛けだったり、引っ張る姿勢という部分では自分の責任だと思います。ただ、最後の試合に関しては前半かなりやられてしまって、後半も0-4になってからですけど、スイッチが入って、観ている人が感動する試合にはできたと思うので、そういった面で総括すると良かったかなというふうに思います」
――本職は攻撃的MFやセカンドトップ。センターフォワードとしてプレーしたこの1年間での学びは「個人的にセンターフォワードを今シーズンやってみてすごく楽しかったですし、オプションのひとつに入れることができたので良かったと思います。自分は競り合いの空中戦という部分でかなり自信があるので、そんなに身長はないですけど、タイミングだったりというところで起点や競り合いの部分を作れたと思います。チャンスメイクだったり、下りてきてボールに絡んだりというところも、ある程度は毎試合そういうのができていたので、自分の動きに関して悪い試合はひとつもなかったと思っているので、あとは最後の得点の部分と、チームを勝たせられる選手になるというところを、次の舞台でチャレンジしてトライしていきたいと思います」
――目指すべき選手像「そんなに選手に例えるというのはあまり好きじゃないんですけど、(ナポリでプレーする)デ・ブライネ選手みたいに、自分で点も決められるし、アシストもできるし、ゲームも作れる。試合を決められる選手だと思うので、そういった選手にいち早く自分なりの選手像を作って、憧れられる選手になれれば一番いいなと思うので、そこにトライしていきたいと思います」
◆MF 今井健人
仲間への想い語る――試合の振り返り「自分的には、この1年間試合に入れなかった(坂井)倖大がベンチ入りしていて、どうにかして勝った状態で、試合終盤に出させてあげたいなという気持ちがあったんですけど、すごく情けない試合になってしまって、コーチ陣や倖大とかにすごく申し訳ないなと思います」
――前半はオフの動きでリズムを変える意図が見えた「攻撃では基本的に自分は自由にやらせてもらっているので、自分の判断で落ちたり、背後に抜けたりという感じでしたけど、立ち上がりに(相手が)前から来るというのはわかっていたので、背後を少し狙おうかなという考えはありました」
――後半は終盤の2点で意地は見せた「自分たちも4点取られてからですけど、少しギアが上がりましたし、それを最初からやらなければいけなかったゲームでした。それでも、最後多少の意地は見せられたかなと思います」
――初めて戦ったプレミアリーグでの1年「自分的には後半の大事な時期に怪我や出場停止というところで、チームにすごく迷惑をかけましたし、チームを勝たせなきゃいけないという存在であると思うので、その部分で早い段階で優勝の可能性をなくさせてしまったというのは、監督やコーチ、チームメイトもそうですけど、申し訳ないなと思います」
――優勝を目指しながらも残留は達成「最低限ではありますけど、やっぱり目指していた順位ではないですし、内容ともにあまり振るわなかった1年だったかなと思います」
――本職はボランチもシャドーでプレー。この期間に学んだものは「1列前になるという部分で、点を取らなきゃいけない位置であると思いますし、もう少し結果のところでチームを助けられたら良かったかなと思います。ボランチだけじゃなくて、少し前のところをやれたというのは、自分のなかでもプラスになったのかなと思います」
――ヴェルディのアカデミーの選手として一区切り。ここで過ごした日々について「中学校から6年間、お世話になりましたし、すごく良い環境で楽しくサッカーをやれたというのは、このヴェルディだからこそサッカーを続けられたというのもあると思うので、恩返しできるように頑張りたいなと思います」
「まだ言えないところもありますけど、やっぱりこのヴェルディのユニフォームを着て、また味スタに帰ってくるというのが、自分がクラブに育ててもらったぶん、やらなきゃいけないところだと思うので、次またヴェルディのユニフォームを着て、味スタで活躍できるように頑張りたいなと思います」
◆GK 山﨑琉聖
今季の緑の守護神――試合の振り返り「一試合としては(今季)4失点したのが初めてで、メンタル的にもきつかったですけど、最後まで仲間を信じて守り続けて、2点取ってくれたのは良かったと思います」
――個人としては試合を通して好セーブも目立った「個人としては良い感じのプレーができたのかなとは思いますけど、結局はチームとしての結果が大事で、そういったところに自分が力になれなかったのが悔しいなと思います」
――この試合を含めて高さやフィジカルの差があるなかで意識したこと「やっぱり力と力で当たると勝てないという部分が大きくあるので、自分たち守備陣は頭を使って、例えば回り込んだりとか、頭を使った守備をして勝てるように努力をしてきました」
――ビルドアップの成長が際立った1年「今年から湯田さん(湯田哲生GKコーチ)が、キーパーコーチとして来てくれて、キーパーの足元に関する練習を増やしてくれたことで、そういった成長ができたのかなと思います」
――個性の強い3年生という部分でまとめ役という印象も「ウチの7番の舛舘環汰は本当に負けず嫌いで、相手に対しても自チームのチームメイトに対しても厳しく言ってしまうところがあったんですけど、そういう気持ちの部分を出していくのは、自分としては良いことだと思っています。ただ、その言い方を直させるというか、良い方向に持っていくのには結構苦労しました(笑)」
――残留を決めて後輩にバトンを渡せたこと「それは大きい部分ですし、本当にこの舞台での経験というのは、未来にとてつもなく大きなものを残すと思っているので、そこは良かったと思います。ただ、1年を通してチームの足を引っ張ってしまったのは守備陣。無失点試合が1試合しか作れなかったのは反省しかないです」
――ヴェルディのアカデミーの選手として一区切り。ここで過ごした日々について「自分は小学4年生からキーパーとして入って、元々つなぐチームというのは知っていたので、自分なりにいろいろと努力しながらやってきたところですけど、この最後の年というのが一番成長を感じた年かなというふうに思います」