宇宙に実在する本当にヤバイ天体4選!(宇宙ヤバイchキャベチ)
どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は宇宙に実在する、想像を絶するスケールの天体4つを紹介していきたいと思います。
○ 土星の200倍の大きさのリングを持つ惑星
Space Engine最初にご紹介するのは、観測史上でも突出して巨大なリングを持つと推定される「J1407b(通称:スーパー土星)」です。
2007年に主星J1407の明るさが56日間にわたり複雑に減光したことから、見えない伴星J1407bの周囲に半径約0.6AU(直径約1.2AU=約1億8千万km)に達する巨大なリング系があると解釈されました。
土星のリングと比べると約200倍のスケールに相当します。
主星は地球から約434光年の距離にあります。
J1407b自体の性質はまだ不確定要素が多いのですが、公転周期はおおむね約10年規模、質量は木星の10〜40倍程度という推定が有力です。
○ 表面温度が太陽の約35倍も高い恒星
ESO/L. Calçada続いては、最上位クラスの高温恒星「WR 102」です。
表面温度が約20万度に達し、太陽表面(約5,500度)と比べておよそ35倍という極端な高温です。
半径は太陽の約0.5倍、放出エネルギー(光度)は太陽の約38万倍に達すると見積もられています。
希少な「ウォルフ・ライエ星」に分類される恒星で、進化の最終段階にあり超新星に向かいつつあると考えられます。
○ 1秒間に716回転する中性子星
NASA/JPL-Caltech超新星爆発の残骸として誕生する中性子星の中には、猛烈な自転を示す「パルサー」があります。
現在、最も自転が速い記録を持つのは球状星団Terzan 5にあるPSR J1748−2446adで、1秒間に716回転(716Hz)です。
赤道付近の自転速度は光速の約24%、すなわち秒速約72,000kmにも達します。
直径はおよそ20km程度ですが、中身は原子核に匹敵する超高密度で、常識外れの世界が広がっています。
○ 太陽系の惑星圏を丸ごと飲み込む超巨大ブラックホール
NOIRLab/NSF/AURA/J. da Silva (Spaceengine)最後は、宇宙でも最大級のブラックホールを抱えるクエーサー「TON 618」です。
中心ブラックホールの質量はおよそ660億太陽質量と見積もられており、そのシュバルツシルト半径(事象の地平面の半径)は約1,300AUに達します。
これは太陽から海王星までの平均距離(約30AU)の40倍以上あり、太陽系の惑星圏やカイパーベルトを余裕で包み込む規模です(オールトの雲全体はさらに外側まで広がると考えられます)。
https://arxiv.org/abs/1501.05652
https://www.aanda.org/articles/aa/pdf/2015/09/aa25390-14.pdf
https://arxiv.org/abs/astro-ph/0601337
https://www.nasa.gov/universe/nasa-animation-sizes-up-the-universes-biggest-black-holes/
YouTubeで登録者数29万人「宇宙ヤバイch」で最新ニュースなどを解説しています。/23歳で北海道大学経済学部に入学→29歳で卒業/書籍「宇宙ヤバイ スケール桁違いの天文学」好評発売中/北海道札幌市でキャベチによる生解説が聞けるバー「宇宙ヤbar」営業中/好きな天体は海王星とブラックホール!