住友ファーマ創出の新規TLR7ワクチンアジュバント(DSP-0546)を用いた新規ユニバーサルインフルエンザワクチン候補製剤の臨床試験(フェーズ1試験)の中間解析について
住友ファーマ株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:木村 徹、以下「住友ファーマ」)および国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所(大阪府茨木市、理事長:中村 祐輔、以下「NIBN」)プレシジョン免疫プロジェクトは、住友ファーマ創出の新規TLR7ワクチンアジュバント(DSP-0546)を用い、幅広いインフルエンザウイルスに対する予防効果を持つ「ユニバーサルインフルエンザワクチン」の開発に取り組んでいます。今般、2024年5月14日に試験開始をお知らせした、ユニバーサルインフルエンザワクチン候補製剤「fH1/DSP-0546LP」(以下「本剤」)のフェーズ1試験(以下「本試験」)の中間解析を実施しましたので、お知らせします。
本試験の中間解析は、あらかじめ本試験の臨床試験実施計画書に規定された方法で実施され、投与終了4週間後までの事後観察結果として、概ね良好な忍容性を確認しました。なお、中間解析では、有効性の指標となる免疫原性についても、評価中です。
本試験は、投与1年後のフォローアップ観察まで継続し、「ユニバーサルインフルエンザワクチン」の早期実用化のために、引き続き研究開発を進めます。
本剤の特徴について
従来のインフルエンザワクチンは、ウイルスの抗原変異により効力を失うため、毎年流行株に合ったワクチン株の選定・製造・接種が必要であり、新型インフルエンザに迅速に対応することは困難です。
本剤は、種類の異なるインフルエンザウイルスへの幅広い防御効果が非臨床研究で確認されています。住友ファーマおよびNIBNは、共同研究の成果である本剤について、季節性インフルエンザウイルスだけではなく、パンデミックに発展する可能性のある新型インフルエンザウイルスにも効果を示す画期的な次世代ワクチンとしての実用化を目指しています。
*住友ファーマおよびNIBNは、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)に係る研究開発課題において共同研究を実施しています。
*本件に関連するプレスリリースとして、以下を開示しています。
新規ユニバーサルインフルエンザワクチン候補製剤の臨床試験(フェーズ1試験)開始について
https://www.sumitomo-pharma.co.jp/news/20240514-2.html
ご参考
ウイルス由来のRNAを感知して自然免疫応答を引き起こすToll様受容体の一つであるTLR7を特異的に活性化させる物質を含む製剤です。アジュバントとして抗原に添加することによって免疫応答の量、質および持続性を高める免疫増強作用を有します。
産学官連携により、我が国の力を結集し、医療現場ニーズに的確に対応する研究開発や創薬等の加速化等が抜本的に革新される基盤(人材を含む)の形成および医療研究開発分野でのオープンイノベーション・ベンチャー育成が促進される環境の創出を推進することを目的とする国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の事業です。詳細は、https://www.amed.go.jp/program/list/index07.htmlをご覧ください。
住友ファーマとNIBNの共同研究「万能インフルエンザワクチンの研究開発」(代表機関:住友ファーマ)は、2019年にCiCLEの第4回公募の研究開発課題に採択されました。