来年の原油供給過剰は過去最大規模に-IEA、見通し再び上方修正
Grant Smith
- 在庫すでに高水準に-原油価格、一時3.8%安の1バレル=63ドル以下
国際エネルギー機関(IEA)は13日に発表した月報で、来年の世界的な石油供給過剰が過去最大規模の1日当たり400万バレル強となるとの見通しを示した。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成するOPECプラスが供給を拡大し続ける一方、需要の伸びが鈍い状態が続いているためだ。
IEAは6月以来6カ月連続で供給過剰量の見通しを上方修正している。
IEAは「世界の石油供給が拡大を続ける一方で、需要の伸びは歴史的な基準から見て控えめなままで、世界の石油市場のバランスはますます偏っている」と述べた。関税問題や米国によるロシア産油企業に対する新たな制裁の影響については、依然不明確だとしている。
OPECプラスは今月、12月に供給量をやや増やし、その後、来年1-3月期には生産量の引き上げを一時停止することで合意した。IEAのデータによると、来年の追加供給量の少なくとも半分はOPECプラス諸国から供給される見込みだ。
IEAは同日、長期見通しも発表した。一つのシナリオは電気自動車(EV)への移行が進み、原油の需要増が2030年までに止まるという見通しに沿ったもので、もう一つは、2050年まで需要が増加し続けるものだ。
IEAによると、短期的には供給過剰が既に蓄積されつつある兆しが見られ、世界の石油在庫は9月に4年ぶりの高水準に達している。こうしたことから原油価格の下落圧力が高まり、13日のロンドン市場では、原油価格が一時3.8%下落し1バレル=63ドルを下回った。
原題:IEA Boosts Forecast of Record Global Oil Glut for a Sixth Month(抜粋)
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