【30年史】「メンター親」の出現で若者の生態が激変している
2025/9/27
世代が変わると、常識だと思っていた考えが覆されることがよくある。
私は40代半ばなのだが、今年はこんなことがあった。
横浜に住んでいた甥(18歳)が神奈川県内で遠方の大学に進学し、一人暮らしを始めるのかと思いきや、家族で大学近隣に引っ越したのだ。
兄の話では、甥に一人暮らししたいか聞いたものの、するつもりがなかったらしい。なので姪の高校進学にも合わせて広い家に引っ越したのだという。
(Sofia Vlasiuk / Getty Images Plus)
兄と私は山形県の田舎出身で、大学に行くには家を出る必要があった。だがそれ以上に、早く親元を離れたいという思いが強かった。自由になれるからだ。
「高校を出て一人暮らしするの、楽しみだったよね」「今の子はそう思わないのかね?」
2人でそう話していたら、答えの一つがやっと見つかった。
博報堂生活総合研究所が今月刊行した『Z家族 データが示す「若者と親」の近すぎる関係』(光文社)によると、1990年代後半〜2010年代前半に生まれたZ世代は、親子関係が私たちの世代より如実に仲良くなっているそうだ。
本書ではZ世代の若者たちが親とチャットアプリで交わした会話がたくさん紹介されているが、どれも「こんなことまで親子で話しているのか」とびっくりするような内容だった。
この変化は、なぜ生まれたのか。調査リーダーを務めた酒井崇匡氏に聞く。