地球への天体衝突はしょっちゅう起きている。恐竜が絶滅したのは隕石がきっかけの気候変動のせいだと考えられていて…(婦人公論.jp)
目まぐるしく変化する現代、心穏やかに日常を送ることが難しくなっているという方もいるのではないでしょうか。そんなとき、学校や施設へ宇宙講座を届ける活動をしている「あいプラネット」代表の野田祥代さんは、一呼吸して「心だけ宇宙に緊急避難」することをすすめています。今回は、野田さんの著書『夜、寝る前に読みたい宇宙の話』から一部を抜粋してお届けします。 【書影】目を閉じて、想像の力で地球を飛び出そう。野田祥代『夜、寝る前に読みたい宇宙の話』 * * * * * * * ◆空から岩が落ちてくる —宇宙をただよう巨大岩— 「ムーミン」は、フィンランドの作家トーベ・ヤンソンが描いた架空の生き物です。 ムーミンシリーズの小説や絵本には、主人公のムーミントロールや、小説家のパパ、穏やかなママ、旅好きのスナフキンや、おだんご頭のリトルミイなど、たくさんの仲間が登場します。 私が子どもの頃、ムーミンのテレビアニメが放送されていました。 2つ年下の弟とよく肩を並べて見たものですが、のんびりしたテンポのお話が多い中で『ムーミン谷の彗星』は少し異色のお話でした。 宇宙から巨大な彗星がやってきて、ムーミン谷が大騒ぎになるというストーリーです(※1)。大きく赤く描かれた彗星がなんとも不気味で、怖かったのを覚えています。 本当にこんなのがやってきたらどうしよう、でもこれはお話だし、そんなこと起きない、大丈夫、たぶん、でも、もし……。 と、子どもながらに本気で心配したのです。
◆民家に隕石が直撃 現実の世界ではどうでしょうか。 1992年12月10日の雷雨の夜、島根県松江市の民家に空から岩が降ってきました。 「隕石」です。 隕石は、宇宙空間から地球に落っこちてきた岩。 ムーミンのお話では彗星がやってきましたが、隕石の多くは小惑星のかけらだろうと考えられています。 小惑星のかけらは、小さな砂粒なら空の高いところで燃え尽きて流れ星として輝きます。いっぽう、もう少し大きくて燃え尽きずに地面まで落ちてきたものを隕石とよびます。 私たちがいるこの太陽系には、太陽のまわりをたくさんの小惑星がまわっています。『夜、寝る前に読みたい宇宙の話』の執筆時点で140万個以上見つかっています。 日本の小惑星探査機「はやぶさ」や「はやぶさ2」が行ってきた「イトカワ」や「リュウグウ」も小惑星です。 NASAの「オシリス・レックス」が向かった「ベンヌ」を知っている人がいるかもしれませんが、ベンヌも小惑星です。