「Ubuntu」を手放せない--20年来のユーザーが挙げる6つの魅力(ZDNET Japan)
時は2004年10月。筆者は「Red Hat Linux」を長年使っていた(つまり「Fedora」になるずっと前からだ)。このディストリビューションを世界が終わるまで使い続けると信じて疑わなかった。Red Hatにすっかりなじんでいたのだ。確かに、癖があり、必要以上に難しい部分もあったが(先述の通り20年以上前のことだ)、安定していたし、このディストリビューションのことはよく知るようになっていた。 しかし、そんなときに登場した新たなディストリビューションが「Ubuntu」だ。奇妙なことに、最初に公開されたバージョンは4.10だった(別名「Warty Warthog」)。Ubuntuについてはあまり聞いたことがなかったが、好奇心をそそられたので、Red Hatに上書きインストールして、どんなものか確かめてみることにした。それ以来、20年以上にわたってUbuntuベースのディストリビューションを使い続けている。 むしろ、テスト以外の目的で、Ubuntuベースではないディストリビューションを最後にいつ使ったか思い出せない。ベースが異なる他のディストリビューションへの乗り換えを検討する気さえ起きないほど、Ubuntuは筆者にとって特別なものだ。その理由を説明しよう。 1. 信頼性の高いアップデート Ubuntuベースのディストリビューションを使って20年以上になるが、アップデートがうまくいかなかったことは一度しかなかったはずだ。しかもその原因は、アップデートしようとしていたOSを認識不可能なほど大幅にカスタマイズしていたことに他ならない。そのアップグレードのときは、OSを削除してクリーンインストールする羽目になったが、先述のように、21年間で一度きりのことだった。悪くない実績だ。 それ以外に筆者がUbuntuベースのディストリビューションで実行したアップグレードは全て、問題なく完了した。Ubuntu(とUbuntuベースのディストリビューション)では、アップグレードを(マイナーもメジャーも)迷わず実行する。うまくいくと分かっているからだ。それを考えると、他のベースへ乗り換えたくなる理由などない。それくらい自明なことだ。 2. インストールが簡単 Ubuntuは長年にわたり、全てのLinuxディストリビューションの中で最高のインストール体験を提供してきた。とりわけ最新バージョンのインストーラーは見事だ。最新のインストーラーは驚くほど使いやすいだけでなく、最も美しく設計されたインストーラーの1つでもある。多くのLinuxインストーラーはいまだに、2000年代初頭に設計されたような見た目だ。 インストーラーの見た目など重要ではないという意見もあるだろうが、筆者はそう思わない。インストーラーアプリは新規ユーザーが最初に体験するものだ。ユーザーに心地よいと感じさせるだけでなく、Linuxが「macOS」や「Windows」に引けを取らないほど現代的だという印象を与えるものでなければならない。また、アップグレードと同様に、筆者はUbuntuのインストールで失敗したことがない。 3. ハードウェアサポート Ubuntu(とUbuntuベースのディストリビューション)のハードウェアサポートはトップクラスだ。大体のものは接続できるし、自動的に認識される。ハードウェアサポートはUbuntuの大きなセールスポイントの1つとなっている。筆者の経験では、周辺機器や内蔵デバイスが認識されなかったことはほとんどない。 確かに、何かのドライバーを探さなければならないことはあった。だが、企業がLinux向けのデバイスドライバーを作成したなら、必ずUbuntu用のドライバーが作成されていると思っていい。これがUbuntuを使用する利点だ。実際、メーカーがUbuntu以外のディストリビューション向けのドライバーを開発していない製品も見かけたことがある。 これだけは言っておきたい。Fedoraはより先進的なディストリビューションなので、新しいハードウェアがUbuntuよりも早くサポートされることが多いが、Ubuntuベースのディストリビューションよりも優れている点は少ない。