「解体」「愛国」を叫ぶ人々が共鳴する参政党 鳴り潜める主張と葛藤
「外国人排除」「財務省解体」を訴えるデモ=東京都千代田区の自民党本部前で2025年6月22日、春増翔太撮影
日の丸を掲げ、「売国奴!」と叫ぶ。メガホンを握って、「石破を出せ!」と声を張る。
東京・永田町の街頭で6月下旬、「自民党解体デモ」と銘打たれた活動があった。
自民党や財務省の「解体」、消費税の減税、「日本を取り戻す」――。集まった100人余りが上げる声はさまざまだったが、炎天下の主張が行き着く先は「外国人の排斥」だ。
声をからす人々に参院選のことを尋ねて回ると、口々に名を挙げる政党があった。
「日本人ファースト」を掲げる参政党だ。
創設5年、「天皇を中心」掲げ
参政党は2020年、現在の代表、神谷宗幣氏(47)ら5人の中心メンバーによって設立された。保守的な思想を背景に、党綱領では「天皇を中心に一つにまとまる平和な国」づくりを掲げる。
動画を多用した交流サイト(SNS)上での発信で支持を広げてきたが、新型コロナウイルスワクチンに関する主張でも注目を集めた。
22年秋に当時の党代表が街頭演説で「ワクチンは殺人兵器」と発言。この年に出版した党の「Q&Aブック」でも、神谷氏はワクチン接種を「人体実験」と説いた。
5月に公表した独自憲法案では、明治天皇の名で発布された「教育勅語」の尊重をうたう。
「外国人排斥」「○○解体」で通底
冒頭のデモに来ていた東京都世田谷区の女性(56)は、取材にまくし立てた。
「移民申請して仮放免中の外国人がものすごくいっぱいいて危ない。だから、都議選では外国人を追い出してくれそうな参政党に入れた」
移民ではなく、難民申請のことだろう。「『いっぱい』とは?」と尋ねたが「数は知らない。とにかくいっぱい」と言う。
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