理化学研究所 科学講演会2025「No 量子, No Life!-量子科学がつくる未来の技術-」

理化学研究所(理研)は、中高大学生に研究活動を紹介する場として、「科学講演会」を年に一度開催しています。今年は2025年9月7日(日)に、東京お台場にある日本科学未来館で開催します。また、現地会場の様子をライブ配信します。

テーマは「No 量子, No Life!-量子科学がつくる未来の技術-」。量子科学が誕生して100年が経った今、世界が注目する量子の力は、私たちの未来をどう変えていくのでしょうか。 好奇心と発見の喜びを原動力に、研究者がわくわくしながら取り組む研究活動を紹介します。

各講演の後には、現地・オンラインどちらからでも研究者に質問できる時間を設けています。さらに、最後のディスカッションでは、現地参加者限定で研究者への質問をお受けします。

量子科学の最前線を体感し、未来の技術を一緒に考えてみませんか? 理系・文系問わず、好奇心旺盛な皆さんのご参加をお待ちしています!

現地参加は、[事前申込制・先着順]です。定員に達し次第、受付を締め切ります。

科学講演会2025 リーフレットのダウンロードはこちらから

プログラム

12:30 開場 13:00-13:05
開会のあいさつ
理事長 五神 真(ごのかみ・まこと)
13:10-13:50

講演1「国産量子コンピュータ「叡」の開発~量子を使う100年へ~」(講演25分、質疑応答15分)

阿部 英介(あべ・えいすけ)量子コンピュータ研究センター 超伝導量子エレクトロニクス連携研究ユニット ユニットリーダー

原子や分子の世界を記述する量子力学が誕生して今年で100年が経ちます。一世紀に渡り、科学者たちは量子の不思議な性質への理解を深め、それを活用するための技術を培ってきました。そして現在、量子を意のままに制御し、複雑な計算を実行する量子コンピュータの開発が世界中で加速し、「量子の時代」が始まろうとしています。本講演では、理化学研究所を中心とするチームが開発を進める、超伝導素子を用いる量子コンピュータについて紹介するとともに、量子コンピュータがひらく次の100年へ思いを馳せたいと思います。

量子コンピュータ「叡」の内部構造
13:50-14:00 休憩 14:00-14:40

講演2「極限環境がひらく量子物質の未来」(講演25分、質疑応答15分)

藤代 有絵子(ふじしろ・ゆかこ)創発物性科学研究センター 統合物性科学研究プログラム 極限量子固体物性理研ECL研究ユニット 理研ECL研究ユニットリーダー

私たちの身のまわりの物質は、目に見えない電子たちのふるまいによって性質が決まります。磁石や超伝導といった不思議な現象も、量子力学に従う電子たちのミクロな相互作用から生まれています。この相互作用を、圧力などでうまくコントロールすると、物質は思いもよらない性質を見せることがあります。この講演では、超高圧などの「極限の環境」で新しい量子物質を探す最先端の研究を紹介します。量子の世界がひらく未来の技術を、一緒にのぞいてみましょう。

試料に数十万気圧の圧力をかけて測定を行っている様子
14:40-14:50 休憩 14:50-15:30

講演3「時計はどこまで正確になれるのか?~原子核時計の開発~」(講演:25分/質疑応答:15分)

山口 敦史(やまぐち・あつし)光量子工学研究センター 時空間エンジニアリング研究チーム 専任研究員

毎日何気なく見ている時計の1秒は、セシウムを使った原子時計によって定義されています。最も性能の高いセシウム時計は、2億年に1秒しかずれない精度を誇ります。しかし、量子技術を駆使した最先端の原子時計では、それを遥かに上回る、宇宙の年齢の2倍の時間が経ってもまだ1秒もずれないほどの精度を実現しています。これでも驚異的ですが、私たちが開発をすすめている原子核時計は、さらにそれを上回る精度をめざしています。本講演では、原子核時計とは何か、そのような高い精度をどのようにめざすのか、ご紹介します。

原子核時計に使うイオントラップ装置
15:30-15:40 休憩 15:40-16:20
全体ディスカッションおよび質問セッション
司会:寺倉 千恵子(てらくら・ちえこ) 創発物性科学研究センター 強相関物性研究グループ 上級技師
16:20 閉会

開催概要・申し込み方法等

開催日 2025年9月7日(日) 時間 13:00-16:20(12:30開場) 対象 中学生 / 高校生 / 大学生 / 一般 会場 日本科学未来館 7階 未来館ホール 東京都江東区青海2丁目3番6号 現地参加の申し込み方法 [事前申込制・先着順]での受付となります。 科学講演会 参加申込フォームよりお申し込みください。 「全体ディスカッションおよび質問セッション」でご質問いただけるのは、現地参加の方だけ!
申込受付期間
6月20日(金)~8月31日(日) ※ 定員に達し次第、受付を締め切ります。
申込に関する注意点
  • 事前申し込み制です。
  • 参加人数の上限に達した場合、申し込みを停止させていただきます。
  • 1グループ5名までお申し込み可能です。
  • 中学校・高等学校・大学等、学校で団体申し込みをご希望の場合は、以下のメールアドレスにご連絡ください。[email protected]
現地参加の注意事項 以下の注意事項をご確認、ご了承の上、お申し込みください。
  • 本講演会をYouTubeでライブ配信します。その際、現地会場の様子が映ります(個人の特定ができないように配慮いたします)。
  • 当日の講演会の様子を動画や写真で撮影し、理研のウェブサイト、印刷物等に掲載させていただくことがあります(個人の特定ができないように配慮いたします)。
  • 参加に際し配慮が必要な方は申込フォームの備考欄にご記入ください。お手伝いさせていただくスタッフの人数に限りがあり、お受けできない場合もございますのであらかじめご了承ください。
  • 各種メディアによる取材・撮影が行われる場合があります。
  • 講演会への参加は無料です(日本科学未来館の常設展・特別展・ドームシアターへの入場には入館料が必要です)。
ライブ配信 YouTubeライブ配信

予約不要・年齢問わずどなたでも視聴可能です。

ライブ配信での質問 Slidoに質問を投稿してください。(フォームは後日掲載します)
  • 13:10-15:30の各講演時間内に、現地およびオンラインでご参加の皆さまから質問時間を15分ほどご用意しています。
  • 15:40-16:20の「全体ディスカッションおよび質問セッション」でのご質問は、現地でご参加の方に限らせていただきます。オンラインでご参加の方はご視聴のみ可能です。
アンケート 参加・視聴後、アンケートにご協力ください。(フォームは後日掲載します)

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