地球からの景色を激変させる「未来の大イベント」4選(宇宙ヤバイchキャベチ)

どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。

空を見上げると、たいていは昨日と同じような星空が広がっています。

しかし未来には、空の景色を大きく変貌させる出来事がいくつも予想されています。

地球から見た空の景色に大きな影響を与えるイベントを、発生すると予想される時期が現代から近い順にみていきましょう。

●20万年以内:地磁気逆転に伴うオーロラ大発生

Credit:Animation and science: Maximilian Arthus Schanner and Guram Kervalishvili (GFZ); Sound: Klaus Nielsen (DTU Space)

地球の磁場(地磁気)は長い地質年代の中で何度も逆転(N極とS極の入れ替わり)を起こしてきました。

過去2000万年の記録によれば、平均して約20〜30万年に1度の頻度で磁極反転が生じていたとされています。

しかし最後の地磁気逆転は約77.4万年前に起こったきりで、それ以来約80万年もの間逆転が起きていません。

このため、次の逆転が近いうちに起きても不思議ではない状況です。

実際、地球の磁場は過去約200年でおよそ1割弱まっており、これも逆転の前兆かもしれません。

Credit:Earth Science and Remote Sensing Unit, NASA Johnson Space Center

地磁気が逆転する際に磁場が極端に弱まったり消失したりすると、普段は高緯度地方でしか見られないオーロラが低緯度でも容易に観測される可能性があります。

そんなタイミングで強い太陽フレアに伴う磁気嵐が起こると、赤く長く光るタイプのオーロラや、空いっぱいに広がる大きな光の帯が、日本を含む世界各地で同時に起きるかもしれません。

状況によっては夜空が普段よりずっと明るくなり、地面にオーロラの影ができるほどの明るさになる場合もあります。

●約120万年後:恒星グリーゼ710の接近

太陽系は銀河の中を公転する途中で、他の恒星とニアミスすることがあります。

その代表的な予測例がグリーゼ710という恒星の接近です。

グリーゼ710は現在へび座の方向に約62光年離れた小さな橙色の恒星ですが、この星が約120万年後に太陽系に非常に近づく見込みであることが分かっています。

Credit:NASA / JPL-Caltech

最新の計算ではグリーゼ710は太陽から約1万天文単位ほどの距離まで接近するとされます。

これは太陽系の外縁に広がるオールトの雲の内部にまで達する距離であり、つまりグリーゼ710は太陽系内に侵入してくると予想されているのです。

もっともグリーゼ710自体は太陽の0.6倍程度の質量しかなく、地球に例えば公転軌道を乱すなどの直接の重力的影響は及ぼさないと考えられますが、これほどの至近距離を恒星が通過すればオールトの雲を構成する多数の彗星が重力で攪乱され、太陽系内側へ降り注ぐと予想されています。

実際のシミュレーションでも、グリーゼ710通過の約100万年後から、地球付近で年間数十個規模の彗星シャワーが発生しうると報告されています。

最接近時、地球からの見かけの明るさは最大でおよそ−2.7等級と推定され、現在最も明るく見える恒星シリウスよりもさらに明るく、木星級の明るさの恒星として肉眼で強く目立つはずです。

●約40億〜60億年後:アンドロメダ銀河の衝突合体

夜空に淡く輝くアンドロメダ銀河は、現在は約250万光年の距離にある私たちの天の川銀河の隣人です。

このアンドロメダ銀河と天の川銀河は将来的に衝突・合体すると長らく考えられてきました。

Visualization Credit NASA ESA and F Summers STScI Simulation Credit NASA ESA G Besla Columbia University and R van der Marel STScI

その時期は概ね約40〜50億年後とされ、実際、約45億年後に最初の衝突が始まり約60億年後までに一体化が完了するとのシミュレーション結果があります。

重力相互作用によって両銀河の形状はゆっくりと歪められ、何度も近接するうちに渦巻銀河だった両者の渦構造は崩壊し、最終的に一つの巨大な銀河に融合すると考えられています。

それぞれの中心にある超大質量ブラックホール同士も合体し、より巨大なブラックホールが誕生するでしょう。

Credit:NASA, ESA, Z. Levay, R. van der Marel, and G. Bacon (STScI), T. Hallas, and A. Mellinger

ただし銀河同士の「衝突」と言っても恒星間の距離は非常に大きいため、個々の恒星は衝突することなく互いにすれ違います。

よって地球からでも、後述する太陽の影響さえなければ、銀河衝突によるダイナミックな景色の変化が比較的安全に楽しめるかもしれません。

●約50億〜76億年後:太陽の膨張と地球の終焉

私たちの太陽にも寿命があります。

現在中年の太陽はあと約50億年ほどで中心核の水素を使い果たしてエネルギー源を失い、赤色巨星へと姿を変え始めます。

Credit:ESA Hubble (M. Kornmesser & L. L. Christensen)

核での水素燃焼が終わると太陽内部のバランスが崩れ、中心核が収縮する一方で外層が大きく膨張していきます。

理論モデルによれば、太陽は半径が現在の約200倍以上にまで膨れ上がり、地球軌道に達するほど巨大化すると見込まれています。

この段階で地球は太陽に完全に呑み込まれて蒸発消滅してしまう可能性が高いと計算されています。

仮に地球が間一髪で飲み込まれずに済んだとしても、極端に増大した太陽光と太陽風によって海は沸騰し大気も宇宙空間に吹き飛ばされ、最終的には焼け焦げた岩石だけが残るでしょう。

https://www.esa.int/ESA_Multimedia/Videos/2024/10/Sound_of_Earth_s_magnetic_flip_41_000_years_ago

https://www.usgs.gov/faqs/it-true-earths-magnetic-field-occasionally-reverses-its-polarity

https://www.aanda.org/articles/aa/abs/2016/11/aa29835-16/aa29835-16.html

https://sci.esa.int/web/gaia/-/59437-berski-and-dybczynski-2016

https://science.nasa.gov/asset/hubble/nighttime-sky-view-of-future-galaxy-merger-2-billion-years/

https://science.nasa.gov/missions/hubble/nasas-hubble-shows-milky-way-is-destined-for-head-on-collision/

https://arxiv.org/abs/0801.4031

https://academic.oup.com/mnras/article/386/1/155/977315

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