太陽系には8個の惑星がある。第9惑星だった「冥王星」が入っていない理由とは。観測技術が発達した結果…(婦人公論.jp)
目まぐるしく変化する現代、心穏やかに日常を送ることが難しくなっているという方もいるのではないでしょうか。そんなとき、学校や施設へ宇宙講座を届ける活動をしている「あいプラネット」代表の野田祥代さんは、一呼吸して「心だけ宇宙に緊急避難」することをすすめています。今回は、野田さんの著書『夜、寝る前に読みたい宇宙の話』から一部を抜粋してお届けします。 【書影】目を閉じて、想像の力で地球を飛び出そう。野田祥代『夜、寝る前に読みたい宇宙の話』 * * * * * * * ◆あなたは地球人で、太陽系人で、銀河系人で…… 地球の外側に目を向けてみましょう。 私たちに一番近い天体は、月です。 月は、丸くなったり細くなったりの「満ち欠け」をくり返しています。 大昔から人は、空に大きく浮かび、毎日形を変える月に親しんできました。 月は、惑星である地球のまわりをまわる「衛星」とよばれる天体です。私たちから地球30個分ほど離れた宇宙空間に浮かび、太陽の光を反射して静かに輝いています。 もちろん、地球と月は2つだけで浮かんでいるわけではありません。 地球も月も、「太陽系」とよばれる集団の一員です。 太陽系には8個の惑星があります。 中心の太陽に近いほうから「水、金、地、火、木、土、天、海」と習った人も多いでしょう。順番に水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星、です。 私たちが住む地球は、3番目の軌道をまわる、太陽系の第3惑星です。 惑星たちは、46億年前に太陽系が生まれた頃に一緒に誕生したと考えられています。いってみれば惑星は仲間、きょうだいたちです。
◆木星は「ガスの惑星」 8個のきょうだい惑星にはそれぞれ個性があります。 たとえば、太陽系で一番大きな惑星は、5番目の軌道をまわる木星です。木星は、大きさ(直径)が地球の11個分もある巨大な惑星です。時期によっては夜空でとても明るく輝いていることがあります。 地球と違って木星には表面に陸がないため、山も谷もありません。岩の地球に対して、木星は分厚い「ガスの惑星」なのです。 表面には、陸の代わりに大きなガスの嵐がつくる、縞や渦の複雑な模様があります。木星はゾクッとするような、禍々しくも美しい巨大惑星です。 ほかにも地球とは違うところがあります。 地球はだいたい24時間で一回転(自転)しますが、木星はたったの10時間。地球の自転の半分足らずの時間で、その巨体をひとまわりさせているのです。 さらに、地球の衛星が月ひとつなのに対して、木星は70個以上(※1)。 木星の衛星のうち、小型の天体望遠鏡でも見える4つの目立った衛星を、発見者の名前にちなんで「ガリレオ衛星」といいます。そのひとつ、「ガニメデ」というイカツイ名前の衛星(※2)は、太陽系で一番大きな衛星で、惑星である水星よりも大きな天体です。