謎の穴から見つかった人骨、アングロ・サクソン時代に恐るべき暴力で死亡か 英
英ケンブリッジ近郊で発掘作業していた考古学者たちが、人骨で満たされた穴を発見した/David Matzliach/Cambridge Archaeological Unit via CNN Newsource
ロンドン(CNN) 英イングランドの牧歌的な野原の片隅、青々とした緑の草と陽光を浴びて芽吹く黄色いキンポウゲの下で、考古学者たちは恐ろしい発見をした。
現場の土を入念に調べてみたところ、約1200年前に掘られた穴が見つかった。穴は人骨で満たされていた。一部は完全な形で残り、一部はばらばらになったこれらの人骨には、恐ろしい暴力による死の痕跡が刻まれていた。
「あらゆる形の恐るべき対人暴力が繰り広げられているのが分かる」と、英ケンブリッジ大学の考古学者。オスカー・アルドレッド氏は述べた。同氏は昨年の春から夏にかけて、ケンブリッジから約4.8キロ離れたワンドルベリー・カントリーパークでの発掘調査を指揮した。
アルドレッド氏はCNNの取材に答え、当該の穴について、8世紀か9世紀に行われた戦闘もしくは処刑の痕跡の可能性があると仮説を立てたが、現時点でどちらなのかは判然としないとした。
遺体のうち1体はうつ伏せで埋葬されていた。アルドレッド氏によればこれは「大変な侮蔑の兆候」であり、腕と脚が縛られていた可能性もあるという。
別の1体はほぼ間違いなく斬首されていた。脊椎(せきつい)の第1椎骨(ついこつ)が切断され、下顎(したあご)には大きな切断痕があった。残っているのが下腿(かたい)骨、足、膝頭(ひざがしら)だけの遺体もあった。そして彼らは同じ穴に、一緒に埋葬されていた。キリスト教の慣習では、処刑されたとしても通常は別々に埋葬されていたため、これは当時としては異例のことだったとアルドレッド氏は述べた。
遺体の近くで遺物は見つからなかったと、アルドレッド氏は付け加えた。これは「人々が所持品を剥奪(はくだつ)されて埋葬された」ことを示唆する。
こうしたすべての要素は「処刑が行われたという確かな証拠」を示しているとアルドレッド氏は述べた。ただ4体の遺体ともう1体の脚の上に、さらに6つの頭蓋骨(ずがいこつ)が置かれていたことから、「単純な処刑ではない」ことが考えられるという。
このような遺跡の発見は、考古学者たちが中世初期イングランドの文化と社会に関する知見をより深めるのに寄与する。当時のイングランドは複数の王国に分裂していたが、オッファのような統治者が統一に着手していた他、アルフレッド大王がバイキングの侵略と戦っていた。