FRB、関税の影響が明確になるまで利下げにコミットすべきでない=セントルイス連銀総裁
[パロアルト 9日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のムサレム総裁は9日、トランプ政権の関税政策が持続的なインフレをもたらすのか、それともさほど深刻ではない一時的な物価調整にとどまるのか明確になるまで、米連邦準備理事会(FRB)は追加利下げにコミットすべきでないと述べた。
ムサレム氏は、スタンフォード大学フーバー研究所が開催した会合向けの講演原稿で、現在、2つのインフレ経路のどちらも確率は同一だとした。「企業が在庫を圧縮し、新たに購入する商品の関税を単発の値上げとして顧客に転嫁するため、インフレ率の上昇は短期的で、そのほとんどが2025年後半に集中する可能性がある」と指摘。ただインフレ高進局面の後であるため「インフレがより持続的になる可能性も同様にある」とした。
「今、関税によるインフレの影響や政策緩和にコミットすることは、インフレの水準や持続性を過小評価する危険性がある。政策転換のタイミングを誤ると、インフレや雇用の面で国民に犠牲を強いることになる」と述べた。
関税措置が維持されてもインフレが短期的にとどまり、インフレ期待が抑制され、経済活動が有意に鈍化した場合は利下げは適切になると語った。
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Covers the U.S. Federal Reserve, monetary policy and the economy, a graduate of the University of Maryland and Johns Hopkins University with previous experience as a foreign correspondent, economics reporter and on the local staff of the Washington Post.