呼吸は「第二の指紋」。あなたの健康状態やアイデンティティまで分かる
鼻呼吸指紋。
研究チームが鼻呼吸のパターンに基づいて個人を識別したところ、96.8%の精度で成功することが実証されました。
この研究は、26月12日にCell Pressの学術誌『Current Biology』に掲載されました。
呼吸パターンは指紋と同じくらい人によって異なる
イスラエルのワイツマン科学研究所の科学者は、軽量のウェアラブルデバイスを用いて、100人の健康な若者の呼吸パターンを継続的にモニタリングしました。
モニタリングに使われたウェアラブルデバイスは独自に開発されたもので、鼻孔の下に設置した柔らかいチューブを使用して、鼻の空気の流れを24時間連続的に追跡できます。
100人にこの装置を着用して日常生活を送ってもらってデータを収集。呼吸パターンのみから高い精度で個人を識別したところ、呼吸パターンが驚くほど異なっていたことが判明しました。鼻呼吸指紋の精度は、音声認識と同じ程度に高いといいます。
呼吸の改善でメンタルもよくなる?
さらに調べると、呼吸パターンは、BMI、睡眠覚醒周期、うつ病や不安のレベル、行動特性と相関関係にあることも明らかになりました。
不安に関する質問票で比較的高いスコアを獲得した参加者は、睡眠中の吸気時間が短く、呼吸間の休止時間の変動が大きかったという結果が出ています。
本研究の著者の1人、Noam Sobel氏は
「私たちは、落ち込んだり不安になったりすると呼吸の仕方が変わると直感的に考えています。
でも、逆の場合もあるかもしれません。呼吸の仕方が不安やうつを引き起こすのかもしれません。
もしそうだとしたら、呼吸の仕方を変えることで、それらの症状を改善できるかもしれません」
…とコメントしています。
健康的な呼吸を模倣することで、精神状態や感情状態を改善できるかどうかはこれから研究が進められるところです。
Source: Current Biology via Neuroscience News