中国が売れ残り住宅の処理に本腰、地方政府の買い取り価格上限撤廃も

Bloomberg News

  • 競争力のある価格の提示や不動産開発会社の財務負担軽減も-関係者
  • すでに不安定な状態にある地方財政にさらなる負担を加える

中国政府は住宅市場で売れ残っている数百万戸の処理を早急に進めるため、地方政府に課しているこうした物件の購入価格上限を撤廃することを検討している。事情に詳しい関係者が明らかにした。

  中央政府は不動産市場の低迷に歯止めをかけようとしている。まだ最終決定には至っていないが、買い取り価格の上限廃止が実現すれば、より競争力のある価格の提示など市や州を含む地方当局に大きな権限が与えられる可能性がある。非公開情報だとして関係者が匿名を条件に語った。

  不動産開発会社の財務負担も軽減され得るという。

  ただ、最新の提案が十分な効果を発揮するかどうかは不明だ。幾つかの市当局は昨年、売れ残り住宅購入時のリスクを最小限に抑えるため強硬な交渉に訴えることを求めたが、この時は経営難に陥ったデベロッパーが低めの価格で在庫を売却する意思があるかどうかを巡り疑問が生じていた。

  地方政府は低所得者向けの公営住宅について、土地や建築費を考慮した上で利益を5%以内に抑えて適格な買い手にのみ販売することができる。現在は、こうした公営住宅の価格水準が、売れ残り物件購入で認められている買値の上限となっている。

  住宅都市農村建設省はコメント要請に応じなかった。

  李強首相は北京で開催中の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、地方政府は買い入れるべき売れ残り住宅の基準設定とその活用方法の決定で、より大きな裁量を得るようになると述べた。

  一方、買い取り価格の上限撤廃は、すでに不安定な状態にある地方財政にさらなる負担を加えことになる。土地売却で得る収入が大きく落ち込んでいる地方政府は、景気対策を打ち出す余力の低下に見舞われている。

  投資家がさらなる政策緩和を期待していることから、中国の不動産関連株はこのところ大きく値上がりしていた。

原題:China Mulls Ending Price Cap on Unsold Home Purchases (1)(抜粋)

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