経常収支5月として過去最大の黒字、原油価格など下落で輸入減

 7月8日、財務省が発表した国際収支状況速報によると、5月の経常収支は3兆4364億円の黒字だった。写真は2012年12月、都内の港で撮影(2025年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 8日 ロイター] - 財務省が8日発表した国際収支状況速報によると、5月の経常収支は3兆4364億円の黒字だった。前年同月から4869億円増え、5月として過去最大の黒字額。原油価格などの下落で輸入が減少した。経常収支の黒字は4カ月連続。

ロイターが民間調査機関に行った事前調査で予測中央値は2兆9400億円の黒字だった。

貿易収支は5223億円の赤字で、前年同月から5757億円改善した。輸出の1147億円減を、輸入の減少幅6904億円が上回った。原粗油の輸入が1753億円、石炭が1351億円、非鉄金属が667億円それぞれ減少した。

サービスも含めた貿易・サービス収支は3212億円の赤字と、前年同月から赤字幅が8284億円縮小した。

海外子会社からの配当収入や米国債など海外投資の収益を示す第1次所得収支は4兆2555億円の黒字。黒字幅は1170億円縮小したものの、経常収支全体の黒字を支えた。

農林中金総合研究所理事研究員の南武志氏は「膨大な経常黒字は日本の貯蓄性向を反映している」と指摘。「対米貿易黒字が問題視されているが、そもそも関税で赤字・黒字体質を変えられるわけではないため安易な妥協はすべきではない」との見解を示した。

*財務省の発表資料は以下のURLでご覧になれます。

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