東京外為市場・15時=ドル143円後半で売買交錯、米関税合意のベトナムが最安値

 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤から小幅高の143円後半で取引されている。写真は1ドル紙幣。2021年11月、トルコのイスタンブールで撮影(2025年 ロイター/Murad Sezer)

[東京 3日 ロイター] -   午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤から小幅高の143円後半で取引されている。注目の米雇用統計を同日夜に控え、売買が交錯した。米国と関税交渉で合意したベトナムの通貨ドンが、最安値を更新したことが話題となった。

この日のドルは、143円半ばから後半でもみ合う展開が続いた。財務省が実施した30年国債入札が弱めの結果となり、10年債など円金利に上昇圧力がかかる場面もあったが、日銀がすでに国債買い入れ減額ペースの縮小を表明していることなどもあり「波乱につながる可能性は低く、円相場に大きな影響はなかった」(国内証券アナリスト)という。

他の主要通貨も総じて横ばい。ユーロは1.18ドル前後で一進一退となった。

市場では、英国に続き、ベトナムが2日、米国との関税交渉で合意したことが話題となった。トランプ米大統領によると、ベトナムは米国製品を関税なしで受け入れるが、米国はベトナムからの輸入品に20%の関税を課す。

ベトナムは米国にとって、中国、メキシコに次ぐ第3位の貿易赤字相手国。6位の日本とは交渉の難航が伝わっているが「日本もアジア各国と同様に安全保障で米国に依存している分、ベトナムと同様に譲歩を迫られるようなことがあってもおかしくない」(みずほ銀行国際為替部シニアマーケット・エコノミストの堀尭大氏)と警戒する声が聞かれた。

ベトナムドンはこの日のアジア市場で、一時1米ドル=2万6200ドン台まで下落し、6月23日につけた最安値を更新した後、小幅に買い戻されている。ベトナムの主要株価指数は小幅高で、2022年4月以来の高値を付けた。

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