ホンダ「シティ」約40年以上ぶり復活!? 斬新「樹脂ボディ」×レトロな丸目2灯が超カワイイ「サスティナC」コンセプトがスゴかった! 市販化の可能性はあるのか

ホンダのコンセプトカー「サスティナCコンセプト」は、2023年のジャパンモビリティショーで大きな話題となりました。往年の名車「シティ」を彷彿とさせるこの小さなEVは、どのようなクルマなのでしょうか。

資源を循環させる、未来のシティコミューター

 コンセプトカーとは、自動車メーカーが未来の技術やデザインの方向性を示すために製作されます。

 2023年にホンダが発表した「SUSTAINA-C Concept(サスティナ・シー コンセプト)」は、単なる未来のクルマの提案にとどまらず、現代社会が抱える課題への回答を示した、極めて重要な一台です。

ホンダ「SUSTAINA-C Concept(サスティナ・シー コンセプト)」

 サスティナCコンセプトの核心にあるのは、「走る喜び」や「自己表現」といった欲求(EGO)と、地球環境への配慮(ECO)という、相反する価値観をどう両立させるかという問いにあります。

 目を引くのは、その愛らしいデザインです。背が高くコンパクトな2ボックスのシルエットや、親しみやすい丸目のヘッドライトは、1981年に登場したホンダの名車、初代「シティ」への明確なオマージュといえます。開発者もシティを意識したことを公言しています。

 このクルマ最大の革新性は、ボディパネルにあります。「三菱ケミカル」との共同開発により、使用済みのテールランプなどから回収したアクリル樹脂を、同種の高品質素材へと再生する「水平リサイクル」を実現。

 再生アクリル樹脂は塗装工程を不要とする画期的な特徴を持ちます。これにより、製造時の二酸化炭素排出量を大幅に削減できるだけでなく、塗装では不可能な鮮やかな発色や、マーブル模様などの新たなデザイン表現も可能になります。

 インテリアの詳細は明かされていませんが、思想を象徴する装備として「スクリーンテールゲート」が挙げられます。

 透明なアクリル樹脂とし、内側にミニLEDディスプレイを内蔵。灯火機能のほか、後続車に文字や図形でメッセージを送る「コミュニケーションツール」としての役割も担います。

 また、荷室には小型電動バイク「Pocket Concept(ポケット コンセプト)」を搭載可能。

 これは初代シティと「モトコンポ」による“6輪生活”の現代版であり、EV時代に再提案する試みでもあります。

 パワートレインについては、バッテリー容量やモーター出力、航続距離などのスペックは非公表です。

 これは数値競争を避け、「資源を循環させてクルマづくりを行う」という本質的価値に注目を集めるための戦略的判断といえるでしょう。

 では、このサスティナCが市販される可能性はあるのでしょうか。

 結論からいえば、コンセプトを色濃く反映した市販モデルが、近い将来登場する可能性は極めて高いと考えられます。

 ホンダは2026年、日本市場に「操る楽しさを際立たせた小型EV」を投入すると発表しており、そのキャラクターはサスティナCと一致します。

 もちろんそのままの形で登場することはありませんが、「塗装レスボディ」や「シティ風のデザイン」は引き継がれると見られています。

 その実現には、使用済みアクリル樹脂の安定回収といったインフラ面の課題も残されているものの、これはホンダ初の量産EV「Honda e」で得た教訓から生まれた“第二の挑戦”でもあります。

 高価格・短航続距離という課題に対し、製造コストから見直した「届くEV」を目指す姿勢が鮮明です。

 一方で、極めて現実的なアプローチとして、軽商用EV「N-VAN e:」も市場投入されました。既存車体を活用し、実用ニーズに応えるこのモデルは、ホンダが理想と現実の両面でEV戦略を進めている証といえるでしょう。

※ ※ ※

 サスティナCが目指すのは、日産「サクラ」のような実用型EVとの価格競争ではなく、“情緒価値”に共感する層へのアプローチと言えるでしょう。

 ユニークなデザイン、環境負荷低減、そしてブランドの物語性に魅力を感じるユーザーに向けた、新しいポジションの提案といえるでしょう。

 サスティナCは、単なる技術展示ではなく、ホンダのサステナブルな未来を具現化し、EV時代における“新しい時代のシティ”の姿を示す存在なのです。

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