AIブーム、ドットコムバブルの再来か-投資家を不安にさせる類似点
- 「誰かが痛い目に遭うだろう」-オープンAIのCEOが指摘
- 生成AIプロジェクトの95%が利益を生んでいない-MIT報告
クレジット投資家は巨額の資金を人工知能(AI)関連投資につぎ込んでいるが、業界幹部やアナリストらの間では、AI技術が新たなバブルを膨らませていないか疑念が生じている。
事情に詳しい複数の関係者によれば、JPモルガン・チェースと三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、大規模なキャンパス型データセンターを建設するバンテージ・データセンターズの計画を支援するため、220億ドル(約3兆2300億円)余りの融資を主導している。
ブルームバーグが今月伝えたところでは、メタ・プラットフォームズは、米ルイジアナ州の大規模データセンター建設に向け、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)とブルー・アウル・キャピタルから290億ドルを確保した。
この種のディールは今後も相次ぐ見通しだ。オープンAIに限っても、AIサービスの開発・運営に不可欠なインフラの整備費用について、長期的に数兆ドル単位の資金が必要になると見込んでいる。
業界の主要プレーヤーも、AI投資が今後痛みを伴う可能性が高いと認める。オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は今週、今のAI投資熱と1990年代後半のドットコムバブルとの間に類似点があるとの見方を示し、スタートアップ企業評価を話題にした際、「誰かが痛い目に遭うだろう」と述べた。
マサチューセッツ工科大学(MIT)が公表した報告によれば、企業の生成AIプロジェクトの95%が利益を生んでいない。クレジット市場ウオッチャーを十分不安にさせる状況だ。
シティグループの米投資適格クレジット戦略責任者、ダニエル・ソリッド氏は「通信会社がほぼ間違いなく過剰投資と過剰な借り入れを行い、資産に著しい評価損が生じた2000年代初めをクレジット投資家が想起するのは当然だ。AIブームも確かに持続可能性に中期的に疑問を投げ掛ける」と指摘した。
原題:Credit Fuels the AI Boom, and Fears of a Bubble: Credit Weekly(抜粋)