FRB金利据え置き継続の公算、PCEが消費の慎重姿勢示唆
米連邦準備理事会(FRB)当局者らは、トランプ大統領の関税政策を背景にした利下げへの慎重姿勢を今後も維持する公算が大きい。2013年7月撮影(2025年 ロイター/Jonathan Ernst)
[30日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)当局者らは、トランプ大統領の関税政策を背景にした利下げへの慎重姿勢を今後も維持する公算が大きい。4月の個人消費支出(PCE)価格指数から消費者の慎重姿勢の高まりが示されたことが背景にある。
商務省が30日発表した4月のPCE価格指数は、前年比2.1%上昇した。伸びは前月の2.3%から鈍化し、インフレ率はFRBの目標水準である2%にさらに近づいた。 もっと見る
しかし、アナリストらはこの傾向が続くとは考えていない。関税に起因するコスト上昇の少なくとも一部を企業が消費者に転嫁すると予想しているためだ。
フィッチ・レーティングスの米国経済調査責任者オル・ソノラ氏は「FRBはPCE指数が示した好ましいインフレ率を歓迎するだろうが、嵐の前の静けさと解釈する可能性も高い」と今後のインフレ高進を懸念。消費が落ち込み、失業率が急上昇しない限り、FRBは金利据え置きを続けるとの見通しを示した。
また、PCE価格指数で貯蓄率が4.9%と、前月の4.3%から上昇し、1年ぶりの高水準を付けたことについてアナリストらは、二転産する関税政策を巡る不確実性の中で、消費者の慎重さが再び高まっている兆候だと指摘。
IIIキャピタル・マネジメントのカリム・バスタ氏は、FRBにとって「待つ以外に何もできることはない」との見方を示した。
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