NY外為市場=ドル下落、貿易交渉の行方に注目 独首相選出でユーロ上昇
ニューヨーク外為市場では、ドルが円などの主要通貨に対して下落した。(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
[ニューヨーク 6日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルが円などの主要通貨に対して下落した。トランプ米政権が交渉を進める各国との貿易協定がまだ実現していないことへの懸念が重しになった。一方、ドイツでキリスト教民主同盟(CDU)のメルツ党首が首相に選出されたことを受け、ユーロは上げ幅を拡大した。
トランプ米政権が掲げる関税措置を巡り、米政府が各国と進めている交渉の経過に市場は注目。マネーコープの北米ストラクチャリング責任者ユージン・エプスタイン氏は「意味のある発表がないまま90日間の関税猶予期間が過ぎていっていることに市場は神経質になり始めている」と述べた。
終盤の取引で ドルは対円で0.86%安の142.445円。
ユーロ/ドルは0.50%高の1.1371ドル。ドイツ議会でCDUのメルツ党首が2回目の投票で首相に選出されたことを受け、上げ幅を拡大した。 もっと見る
カナダドルは対米ドルで0.39%高の1.38カナダドル。この日はカナダのカーニー首相がワシントンを訪問し、ホワイトハウスでトランプ米大統領と会談。カナダは米国の51番目の州になるべきと繰り返し発言しているトランプ氏に対し、「(カナダは)売り物ではない。今後も決して売り物になることはない」と明確に伝えた。 もっと見る
米連邦準備理事会(FRB)はこの日から2日間の日程で開始した連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きを決定するとの見方が大勢。ティエリー・ウィズマン氏率いるマッコーリーのアナリストは、パウエルFRB議長がトランプ政権が掲げる関税措置にどう対応するか明確な指針を示す可能性は低いとし、「不確実性を和らげるためにFRBは明確にハト派的なシグナルを示すと予想している場合、考えを改める必要がある」とした。
FRBに続き8日にはイングランド銀行(英中央銀行)が政策決定会合を開く。終盤の取引でポンド/ドルは0.61%高の1.33780ドル。
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