〈いよいよ最終回・NHK朝ドラ「あんぱん」〉“与える”ヒーロー「アンパンマン」爆誕! 嵩(北村匠海)を導いた東海林(津田健次郎)との別れ【第24週プレイバック!】

「アンパンマン」ついに誕生? 「あんぱん」第120話から©NHK この記事の写真をすべて見る

 NHKの朝の連続テレビ小説「あんぱん」が、きょう最終回を迎える。のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)の物語がついに完結。名シーンやキーとなった人物を演じた俳優についての記事を総集編として再びお届けする(※この記事は、9月13日に配信した内容の再掲載です。情報は当時のままです)。

【写真】「真意」を隠して現れた高知新報時代の2人の恩師はこちら

*   *   *

  やなせたかしさん、小松暢さん夫妻をモデルに、苦悩と荒波を越えて「アンパンマン」へ至る軌跡を描くNHK連続テレビ小説「あんぱん」(毎週月~土曜午前8時、NHK総合ほか)。第24週(116~120話)は、キャラクターデザインを担当したアニメ映画「千夜一夜物語」が大ヒットする嵩(北村匠海)。そんな中、訪ねてきた編集者から次回作を描いてほしいと依頼され、のぶ(今田美桜)は「おじさんアンパンマン」を推す。ついに雑誌に掲載されたアンパンマンだったが、評判は上がらない。ある日、高知新報時代の恩師・東海林(津田健次郎)が現れる。東海林の訪問からまもなく、上京の理由を知ったのぶと嵩は……といった内容だった。

【こちらも】「あんぱん」を見て思い出す…45歳で双子を出産する私に「やなせたかし先生」が書いてくれた“忘れられないことば” 武内陶子 【前週】天才・手嶌治虫(眞栄田郷敦)が“嵩(北村匠海)は、すごい作品を描く”発言 ヤムおんちゃん(阿部サダヲ)登場で一同、破顔も…

「千夜一夜物語」は大ヒット

 嵩は周囲に不評だった「おじさんアンパンマン」の物語を仕上げる。原画を覗き込むのぶは、「私やっぱりこのおんちゃんが好き。ちっともかっこよくないけど」と微笑む。嵩も「アンパンマンの味方はのぶちゃんだけかもしれないね」と返す。

 同じ頃、手嶌治虫(眞栄田郷敦)の映画「千夜一夜物語」の制作も大詰めを迎えていた。朝帰りの嵩についてきた手嶌は、のぶが点てたお茶を飲みながら、自身の戦争体験を語り、「戦意高揚の映画なんて二度と見たくない」「映画は見た人の人生観が変わるほど、面白いものであるべき」と創作への信念を話す。ここで3人は「創作は誰かを生かすためにある」と確かめることができた。

 完成した「千夜一夜物語」は大ヒット。手嶌はヒットのお礼として、嵩に映画制作を提案。嵩は今度は自身が監督として、映画「やさしいライオン」を作り上げる。こちらは評判になり、その追い風を受けて、訪ねてきた編集者にのぶは「おじさんアンパンマン」の原稿を渡すが、返ってきたのは「主人公、少し減量できないですか?」という商業的な提案だった。のぶは笑顔で「できません。個性ですから」と突っぱねて、嵩の想いを守る。

「やさしいライオン」は好評だった一方で、アンパンマンは子どもたちに「変な名前」「太ったおじさんよりスーパーマンがいい」と一蹴されて……。 それでものぶは諦めず、八木(妻夫木聡)の会社で、誰にも知らせず子どもたちへの読み聞かせを続けた。「いつかアンパンマンは高い空をどこまでも。私、諦めんきね」。この地道な活動にこそ、力強く創作者を支える、のぶの信念が表れていた。

【こちらも話題】 「松嶋菜々子」51歳でますます際立つ“美貌と貫禄”、朝ドラ「あんぱん」の悪女もはまる存在感 https://dot.asahi.com/articles/-/254885


Page 2

恩人が突然、訪ねてきて… 「あんぱん」119話から©NHK

 そんなある日、東海林が柳井家を突然、訪れる。老いを重ねたその声は温かく、2人の歩みを肯定しているようだった。東海林は嵩の作品は全てチェックしているが、アンパンマンだけは腑に落ちない。「どういて…どういて、柳井はあれを描いたがな?」と問うた。 「どういて倒さん? どういてかっこよう飛ばん?」などと問いを重ね、のぶの「敵を倒すより、弱い人や困っている人を救うのが真のヒーローやないか」という答えを引き出す。その答えを聞いた東海林は、2人が高知新報の採用面接で言っていた「探していたもの」を見つけたことに気づき、涙がこぼれる。やがて嵩も合流。東海林は「おまんらあは、ついに見つけたにゃ。逆転せんもんを」と背中を押して高知へと戻っていった。

 その数日後、2人の高知新報時代の同僚・岩清水琴子(鳴海唯)からの速達で、東海林の訃報が届く。彼は入院中の病院を抜け出し、「どうしても確かめたいことがある」と命の危険を冒してまで、2人に会いに東京へ来ていたのだ。手紙には、東海林が「あの2人はついに見つけたぞ。逆転しない正義を」と嬉しそうに語っていたことが記されていた。のぶと嵩は言葉を失う。その夜、突き動かされるように嵩は鉛筆を走らせ、一晩かけて新たなヒーローを描き上げた。

 それは、顔があんぱんでできており、お腹を空かせた人に自分の顔を食べさせるという、これまでにないヒーローだった。「大丈夫。アンパンマンの命は終わらない。続くんだ」。パン作りのおじさんが新しい顔を焼いてくれることで、命が受け継がれていく。それはまさに、手嶌と確認した「創作は誰かを生かすためにある」という信念の結晶だった。東海林の命を削る行為が、嵩に「顔を食べさせる」というアンパンマンの自己犠牲の表現方法のヒントを与えたのだろう。

【こちらも話題】 42歳・独身・ヴィーガン…「ソニン」が「あんぱん」で女性教師役を熱演 再びドラマの世界に戻ってきたワケは? https://dot.asahi.com/articles/-/254984


Page 3

あんぱん
2025/09/26/ 05:30

関連記事: