米国債トレーダー、値上がり継続見込む-ネットロング15年ぶり高水準

Edward Bolingbroke

  • 10年債利回りが4%を下回ると見込む大口の取引が増加
  • 背景にトランプ氏の関税政策に伴い米経済が揺らぐとの見方
Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

米関税の経済への影響を巡る懸念が高まる中、債券トレーダーは米国債市場の今年の値上がりが継続すると見込んでいる。

  4日に公表されたJPモルガンの顧客調査によれば、米国債ネットロングは15年ぶりの高水準となった。 10年債利回りが4%を下回ると見込む大口の取引が増加する一方、一段の債券価格上昇をヘッジするオプションへの需要も高まっている。

  こうした動きの背景には、トランプ大統領の関税政策に伴い米経済が揺らぐとの見方の強まりがある。成長鈍化見通しは、投資家の利下げ織り込みを通じて金利低下につながりやすい。

  シティグループのストラテジスト、デービッド・ビーバー氏は「市場は引き続き成長鈍化の可能性におびえている」と指摘。「戦術的なポジションは足元でロングに偏っている」と説明した。

   トランプ氏がカナダとメキシコ、中国への関税発動に踏み切ったことを受け、米10年債利回りは4日、昨年10月以来の水準となる4.1%に低下。その後ラトニック商務長官がカナダとメキシコの関税軽減の可能性について発言したことで、4.24%程度まで上昇した。

  同日には、米金融当局が年内に0.75ポイント近い利下げを行うとの先物トレーダーの見方が市場に織り込まれた。

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Long and short client positions shift to neutral

Source: JPMorgan, Bloomberg

原題:Treasury Options Traders Target Bigger Bond Rally Ahead(抜粋)

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