46A購入を承認、契約に至れば4ヶ国目の導入国

トランプ大統領は2025年5月にカタールを訪問し「KC-46A購入契約を締結した」と明かしていたが、国務省は20日「カタールのKC-46A(最大4機)購入に関する対外有償軍事援助の可能性を承認した」と発表、正式な契約締結に至ればKC-46Aは遂に新たな顧客(4ヶ国目)を確保する。

参考:Qatar – KC-46A Aerial Refueling Aircraft

ボーイング製のKC-46Aは空中給油システムの信頼性が欠如しているため、エアバス製のA330MRTTと競合した全入札(カナダ、韓国、ポーランド、アラブ首長国連邦、インドネシア)で敗れており、競争入札なしでKC-46A調達を予定していたイタリアも2024年4月に購入計画を撤回(2026年5月にA330MRTTを6機発注していたことが判明)し、KC-46Aを導入したのは米国、米国の軍事援助で調達したイスラエル、競争入札を実施しなかった日本だけで、あとはトランプ大統領がカタールに導入をねじ込んでいた。

出典:The White House

トランプ大統領は2025年5月にカタールを訪問し「THAAD、KC-46A、Desert Viper、軽装甲車、水陸両用戦闘車、MQ-9Bを含む420億ドル相当の武器購入契約を締結した」と明かしていたが、国務省は20日「カタールのKC-46A(最大4機)および関連装備購入に関する対外有償軍事援助(FMS)の可能性を承認する決定を下した」「この取引の推定総費用は45億ドルだ」と発表。

これに議会が反対しなければカタールとボーイングは国務省が承認した範囲内で契約交渉を行うことになり、この過程でKC-46Aを上限いっぱいまで購入するのか、関連装備(スペアパーツ、サポート、保守サービスなどを含む)をどこまで購入するのか、オフセットを要求するのかどうか、取引額がいくらになるのかが決定されるため、国務省が発表するFMSの可能性承認だけでは契約締結にならないが、トランプ大統領肝いりの売却話なのでKC-46Aの4機購入はほぼ間違いないだろう。

Crystal-clear aerial refueling.

The first phase of flight testing for the KC-46’s Remote Vision System 2.0 upgrade is complete, validating systems and confirming the performance of upgraded camera, control and processing hardware aboard the KC-46 in real refueling conditions. pic.twitter.com/GSM0GYgY7Z

— Boeing Defense (@BoeingDefense) June 4, 2026

どちらにしてもKC-46Aは遂に新たな顧客を確保する可能性が高く、信頼性が欠如していた空中給油システムの問題を解消するリモートビジョンシステム2.0(RVS2.0)も2028年初頭の実装が予定されており、ボーイングも6月「鮮明な空中給油映像を実現した」「KC-46のRVS2.0に関する飛行試験の第1段階が完了した」「実際の飛行条件下でKC-46に搭載されたRVS2.0の構成要素=アップグレードされたカメラ、制御装置、処理ハードウェアの性能が検証・確認された」と発表している。

ちなみにRVS2.0の実装は予定より48ヶ月間遅れで、調達コストも2億3,500万ドルから3億3,400万ドル(2028会計年度の調達価格)へと大幅に上昇し、米空軍は「カテゴリー1の欠陥が解決されるまで新たな契約(最大75機の追加調達)は結ばない」と述べている。

出典:Royal Australian Air Force photo by Cpl. David Gibbs/Released

エアバスは2014年「カタール空軍が空中給油機としてA330MRTT(2機)を選定した」と発表したが、未だに契約締結や納入スケジュールが発表されていないため「発注中止」か「交渉凍結」の可能性が高く、カタール空軍にとって専用機による空中給油能力の獲得はKC-46Aとなる格好だ。

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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Joshua J. Seybert

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