【過去の超新星爆発が地球環境を激変させていた?】氷河期や絶滅の引き金だった可能性も(スペースチャンネル)
過去の地球の気候変動や大量絶滅の裏には、宇宙で起きた超新星爆発が関係していたかもしれません。そして、それは未来にも再び起こりうる可能性があると考えられているのです。
超新星とは何か?
超新星残骸 おうし座のかに星雲 出典:NASA /ESA超新星は、大質量の恒星が寿命を迎えたときに起こす爆発現象です。星が内部の核融合反応を維持できなくなり、重力によって崩壊。その際にブラックホールや中性子星が誕生し、莫大なエネルギーと高エネルギー粒子を宇宙空間にまき散らします。
このエネルギーは数百光年も離れた惑星に影響を与えるほど強力であり、地球から30光年以内で超新星が発生した場合、地球の大気が剥ぎ取られ、全生命が絶滅する恐れがあるとされています。
年輪に刻まれた“宇宙の痕跡”
伐採後の切り株のイメージ 出典:Childzy今回の研究を行ったのは、アメリカ・コロラド大学の北極高山研究所に所属するロバート・ブレイケンリッジ氏です。彼は約1万5000年分の樹木の年輪を分析し、放射性炭素(炭素14)の濃度が急激に増加している時期を11回特定しました。この炭素14の急増は、宇宙からの強い放射線、つまり超新星の爆発によるものではないかと考えられています。
ブレイケンリッジ氏によると、超新星から放たれた高エネルギーの光子が地球のオゾン層を破壊し、それによって太陽の有害な紫外線が直接地表に降り注ぐようになります。加えて、成層圏に存在するメタンが分解されることで温室効果が弱まり、地球全体が冷却される可能性があるといいます。
この連鎖反応によって気候が急激に寒冷化し、動植物の大量絶滅や森林火災の増加などが引き起こされたと考えられています。
古代の氷河期とも一致
マンモス 出典:チャールズ・ナイトこのモデルは、1万2000年前に起きた「ヤンガードリアス期」と呼ばれる急激な寒冷期とも一致しています。この時期には北米でマンモスやサーベルタイガーなどの大型動物が絶滅し、地層には大規模火災を示す痕跡「ブラックマット層」も発見されています。
同時期に爆発したとされるベラ超新星との関係も指摘されており、宇宙からの影響が地球の環境を左右してきた可能性が浮かび上がっています。
現在、地球から約700光年離れた位置にある赤色巨星「ベテルギウス」は、今後10万年以内に超新星爆発を起こす可能性があるとされています。この距離では地球の大気そのものが消滅することはないと考えられていますが、それでもオゾン層の損傷や気候の変動が発生する可能性は否定できません。
今回の研究は、過去のデータを通じて未来のリスクを予測し、地球や人類社会が備えるべき指針を示しています。宇宙の遥か彼方で起こる出来事が、地球の生命や環境に深い影響を与える――その可能性が科学的に示されつつあります。もし地球の近くで大規模な超新星爆発が起きたとしたら、私達に一体どのような影響があると思いますか?ぜひコメントお待ちしております。
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