《米国・ディズニー・クルーズ船で何が》児童ポルノ関連疑惑で“手錠連行”…クルー10人が関与か【“夢の船”で異例事態】
世界的に知られる豪華客船「ディズニー・クルーズライン」で、ゲストに"魔法のような体験"を提供していた乗組員らが、児童ポルノへの関与が疑われるとして、米当局に拘束された。
【写真を見る】後ろ手に拘束されたディズニークルーズ船乗務員が連行される姿
ビザを取り消し、そのまま本国送還処分されたことが明らかになり、米メディアに波紋が広がっている。
現地時間5月5日、米メディアは「ディズニー・クルーズの従業員が米移民・関税執行局(ICE)の取り締まりを受けたようだ」と報道。主要メディアも「ICEが乗客の目の前でウェイターを拘束」などの見出しで配信した。
しかしその後、米国税関・国境取締局(CBP)や米国土安全保障捜査局(HSI)が、児童ポルノの関連捜査だったことを公表。海外ジャーナリストが解説する。
「5日間のクルーズでの旅を終えてサンディエゴ港で下船した女性客は、つい先ほどまで自分たち家族を世話してくれていた乗組員が、手錠をかけられて連行されていく様子を撮影。ディズニークルーズ船を背に、白いバンへ乗せられていく姿はショッキングなものとして、SNSで話題を呼びました」
今回の摘発は4月23日から27日にかけて、サンディエゴ港のターミナルに停泊した8隻のクルーズ船で行われた。
フィリピン人26人、ポルトガル人1人、インドネシア人1人の乗組員28人を事情聴取・拘束し、そのうち27人は児童ポルノの受信・所持・輸送・配布・閲覧のいずれかに関与していたことが確認されたという。
国境取締局は、27人全員のビザを取り消し、母国に強制送還したと発表。現地報道によれば、このうち少なくとも10人が「ディズニー・マジック」号の乗組員だったとのこと。
ディズニー・クルーズラインの広報は、問題の乗組員はすでに解雇したという声明を発表。ディズニー・クルーズラインは、サンディエゴ港を発着拠点として使い、年間で同港発のクルーズ船がほぼ倍増すると発表した矢先だっただけに、ダメージは大きいと見られている。
米国ではクルーズ乗組員による児童性的虐待が相次ぐ
今回「異例の大規模摘発」と報じたメディアも多かったが、クルーズ業界では近年、乗組員による盗撮や児童性的虐待コンテンツの関連事件が相次いでいる。
2024年には世界最大規模の客船会社「ロイヤル・カリビアン」の元客室係が客室に隠しカメラを設置し、子どもを含む乗客を盗撮。児童ポルノ罪で禁錮30年の判決を受けている。
「この事件は、バスルームの洗面台下のカウンターに隠しカメラが取り付けられているのを乗客が発見。押収された映像には、2歳から17歳までの子どもたちの姿があり、下半身に焦点が当てられていたとのこと。陳述書によれば、乗客がシャワーを浴びている間に客室に入り、ベッドの下に隠れて、シャワーから出てくる様子を録画していたそうです」(同前)
2025年8月と9月にも、アメリカの客船「カーニバル・クルーズライン」の乗組員が児童ポルノ関連の疑いで拘束・聴取され、米国外退去の対象になったと報じられている。
「現時点で、ディズニー・クルーズの乗客や子どもが直接被害に遭ったとする情報は出ていません。ただ、"子どもの夢の空間"を掲げる船で、児童性的虐待コンテンツ関連の疑いにより乗組員が拘束・送還されたという事実は、ブランドイメージにとって非常に重い。これを受けてディズニー・クルーズラインの広報担当者も現地メディアの取材に『一切容赦しない』方針であると述べています。
クルーズ船は、乗客と乗組員が数日間、閉じた空間を共有する特殊な場所です。クルー採用時のチェックや船内での監視体制が改めて問われています」(同)
"夢の国"の名を冠した船で起きた一斉摘発。乗客の目の前でクルーが連行される映像は、安心を前提とするクルーズ船の足元に、重い問いを突きつけている。