【B1クラブ展望/秋田】「鉄壁守備は不変、進化したオフェンスで上位戦線へ」
14時間前
今季はオフェンス面でのレベルアップを目指す秋田 [写真]=B.LEAGUE
2度目のチャンピオンシップへ辿り着くには、やはりオフェンスの底上げが不可欠だ。
昨シーズンの平均失点はB1で4番目に少ない74.6点。スティール数はB1トップとなる平均8.2本を記録し、秋田ノーザンハピネッツが誇る“激しい守備”を遺憾なく発揮した。
しかし、攻撃面では2023-24シーズンよりも振るわず平均73.0点。2ポイント成功率に至っては3季連続でリーグワーストを記録した。
「(ヘッドコーチとして)7季目になりますが、やっぱりオフェンスの部分ではずっと苦しんでいます。今シーズンも激しいディフェンスをするという秋田のスタイル自体は変わらないです。けれどオフェンスの部分では、より速いテンポを意識していきたいという考えがあります」
前田顕蔵HCはそう述べて今季のプランを示した。
オフェンスの起点になり得るは、インサイドを主戦場とする外国籍選手。昨季のチーム得点王であるタナー・ライスナーを筆頭に、前田HCは「キアヌは得点だけじゃなくパスも出せる。ヤニーは得点とリバウンド、リーダーシップも非常にある」と、ヤニー・ウェッツェルとキアヌ・ピンダーの新戦力にも期待を寄せる。
無論、上位進出へは日本人選手の奮闘も欠かせない。ともに在籍3年目を迎える赤穂雷太と元田大陽、長崎ヴェルカから加入した髙比良寛治のウイングプレーヤーには、攻守両面で安定感と勢いをもたらす役割が問われそうだ。
鉄壁のチームディフェンスで主導権を握り、進化した多彩なオフェンスで秋田の誇りを取り戻す。
■KEY PLAYER/PG #14 菅原暉
今夏秋田に加わった菅原[写真]=B.LEAGUE
熊谷航(長崎)がチームを去ったが、ポイントガードには豊富な顔ぶれが並ぶ。“秋田の心臓”中山拓哉、昨シーズン終盤に先発を担った栗原翼、直近のレバノン1部リーグで5シーズン連続でアシスト王に輝いたアリ・メザーなど、ポジション争いが激化しそうだ。
そんな中、キャリア初となる移籍を決断した27歳は「覚悟を決めて秋田に来た」と言いきる。
昨季の菅原暉は群馬クレインサンダーズで初のCSに出場。チーム躍進の裏では「プロに入って初めて大きなケガをした」シーズンでもあった。ゲームメイク、得点、アシスト、さらにはフィジカルを生かした守備。抜け目のないプレーで貢献する新司令塔がブレイクスルーを果たし、秋田を高みへと導く。
文=小沼克年