昨季4連敗の屈辱を乗り越え…レアル・マドリー、エンバペ&ベリンガム弾でクラシコに勝利!スコアでも内容でもバルセロナ上回る(GOAL)
26日のラ・リーガ第10節、サンティアゴ・ベルナベウを舞台としたレアル・マドリー対バルセロナのクラシコは、2-1でマドリーの勝利に終わった。 通算262回目を迎えたクラシコ。ここまでの対戦成績はマドリー105勝、バルセロナ104勝、52分けだが、スペイン・スーパーカップ決勝&コパ・デル・レイ決勝のタイトルマッチ2試合を含めた昨季のクラシコ全4戦は、バルセロナが勝利している。 指揮官として初めてスペイン伝統の一戦に臨むマドリーのシャビ・アロンソ監督は、これまでとは異なるプレーシステムを採用。右サイドにマスタントゥオノでもブラヒムでもなくカマヴィンガを起用して、中盤のフィジカル量を増やしている。全スタメンはGKクルトワ、DFバルベルデ、ミリトン、ハウセン、カレーラス、MFカマヴィンガ、ベリンガム、チュアメニ、ギュレル、ヴィニシウス、FWエンバペ。 一方、退席処分のフリック監督がスタンドから見守るバルセロナは、ジョアン・ガルシア、ハフィーニャ、レヴァンドフスキがいない中で考え得るベストメンバーを採用。GKシュチェスニー、DFキュンデ、クバルシ、エリック・ガルシア、バルデ、MF後列デ・ヨング、ぺドリ、MF前列ヤマル(試合を通して辛辣なブーイングを受け続けることに)、フェルミン、ラッシュフォード、FWフェランがピッチに立った。 ベルナベウの全スタンドを使った特大のコレオグラフィーで、「気高さ」との文字が浮かび上がってから試合はスタートのホイッスルが吹かれる。シャビ・アロンソ監督就任でマドリーはポゼッション率を高めたマドリーだが、この一戦ではいつものハイプレスを仕掛けるのではなく、ピッチ中央に守備ブロックをつくってバルセロナに対応。カマヴィンガも加えた中盤がバルセロナのゲームメイクを見事に封じて、ショートカウンターを中心に開始直後からチャンスを手にしていった。 マドリーはまず3分、ペナルティーエリア内でヤマルとマッチアップしたヴィニシウスが倒されたとしてPKを獲得。だがVAR介入とOFR確認後、シュートを試みたヴィニシウスからヤマルにぶつかったとの判断で、結局マドリー側のファウルが取られた。また12分には、バルセロナ陣地でフェルミンと球際で争ったアルダのスルーパスから、エンバペがDFラインを突破。強力なミドルシュートでネットを揺らすも、こちらは半自動オフサイドテクノロジーが検出したギリギリのオフサイドでゴール取り消しとなっている。 チャンスやゴールが取り消されていくマドリーだったが、21分に“3度目の正直”が訪れ、ベルナベウが歓喜に包まれた。ピッチ中央でぺドリのマークをいなして前を向いたベリンガムがスルーパス。再びギリギリでDFラインを抜け出したエンバペがペナルティーエリア内右に入り込み、冷静な右足のシュートを決め切っている。今回、オフサイドはなかった。エンバペは今季成績をラ・リーガ10試合11得点、公式戦13試合16得点としている。 対して、ビハインドを負ったバルセロナは、マドリーがピッチ中央で敷く守備ブロックを前に確度のあるシュートを放てない状況が続くことに。だが38分、マドリー側のミスに乗じて同点に追いついた。ギュレルが自ゴールの近くでボールを持ち過ぎてしまい、ぺドリ&ラッシュフォードに奪われる。ハイプレスによってビッグチャンスを手にしたバルセロナは、ペナルティーエリア内左に侵入したラッシュフォードの折り返しから、フェルミンがネットを揺らした。 しかしスコアがタイとなったのは、6分間だけだった。44分、マドリーが勝ち越しゴールを獲得。敵陣浅い位置でのフリーキックの場面、ギュレルのロングパスを受けた左サイドのヴィニシウスが、ゴールライン際までボールを持ち込み左足でクロスを送る。ファーのミリトンが頭で中央にボールを折り返し、フリーで詰めていたベリンガムが押し込んでいる。前半は、マドリーの1点リードで終了した。 迎えた後半、マドリーは48分にリードを広げるチャンスを手に。ペナルティーエリア内右のベリンガムがクロスを上げようとし、対応したエリック・ガルシアのハンドを誘発。PKを獲得したものの、キッカーのエンバペが放ったシュートはシュチェスニーに弾かれている。 その後はバルセロナがポゼッション率を大きく引き上げて敵陣で試合を進めるも、マドリーも集中した守備でチャンスを許さず。シャビ・アロンソ監督は66分に最初の交代カードを切り、ギュレルをブラヒムに代える。また71分にはヴィニシウス、痛めていた様子のバルベルデを下げてロドリゴ、負傷明けのカルバハルをピッチに立たせた。ヴィニシウスは早めの交代に怒ったのか、ベンチにとどまらず直接ロッカールームへ向かっている(その後、戻ってきてベンチに座る)。 終盤もバルセロナがボールを保持して、マドリーが堅守速攻を見せる状況が続く。マドリーの集中した守備は非常に堅固で、クルトワのセーブに助けられる場面はほとんどなかった。9分が取られた後半アディショナルタイム、攻めあぐね続けるバルセロナは球際の争いでぺドリがチュアメニに強烈なスライディングタックルを見舞ってしまい、2枚目のイエローカードで退場に。その後、ベンチで乱闘騒ぎが生まれるなど混沌とした雰囲気の中で、試合は終了のホイッスルが吹かれている。 ギュレルのミスから失点した以外、盤石な内容で勝利をつかんだマドリーは、5試合ぶりのクラシコ勝利。2位バルセロナに勝ち点5差をつけてラ・リーガ首位に立っている。反対にバルセロナは、負傷者が続出しているというエクスキューズはあるものの、昨季の強さを失っていることが浮き彫りになった試合だった。 ■試合結果 レアル・マドリー 2-1 バルセロナ ■得点者 レアル・マドリー:エンバペ(22分)、ベリンガム(43分) バルセロナ:フェルミン(38分)