ハリス前副大統領、新著に「バイデン氏を出馬させたのは無謀だった」 その真意は
ハリス前副大統領=2月22日/Richard Shotwell/Invision/AP/File
(CNN) 米国の前副大統領カマラ・ハリス氏は、自身が戦った2024年大統領選の回顧録に関する初のテレビインタビューで、バイデン前大統領が再選を目指すことを許したのは無謀だったと書いた意味について問われた。
MSNBCの番組に出演したハリス氏は「自分が果たすべき責任を負っている、そして負っていたことに気づいた」と語った。「だから、無謀さについて語るとき、それは何よりも自分自身について言っている」
ハリス氏の著書「107 Days」では、バイデン氏が選挙戦から撤退した後の最初の電話や副大統領の選考プロセスについてつづられており、すでに大きな注目を集めている。
バイデン氏を追及しなかった理由
ハリス氏は著書の中で、バイデン氏が当初、年齢への懸念にもかかわらず出馬を主張したことに疑問を呈する記述をしている。これについて問われたハリス氏は、バイデン氏の選択について疑問を投げかけるつもりはないと明言した。
「当時はあまりにも多くのことが懸かっていた。そして本に書いている通り、その時の私の頭の中では、自分が異議を唱えるのは完全に自己中心的に見えてしまうだろうと思った」(ハリス氏)
トランプ氏とキンメル氏について
ハリス氏はインタビューの大部分をトランプ政権への痛烈な批判に費やし、トランプ大統領を繰り返し「暴君」と糾弾した。「産業界の巨人たち」に対しては、反民主的だと思われる措置に立ち向かうよう呼びかけた。
「今、私たちが相手にしているのは、暴君だ」とハリス氏は述べた。「かつて私たちは、民主主義の強さを共産主義の独裁者と比較した。今まさに対峙(たいじ)しているのはドナルド・トランプだ。そして産業界の巨人たちは声を上げていない」
ハリス氏はまた、保守派活動家チャーリー・カーク氏暗殺事件に関する発言をめぐる論争のさなか、ABCテレビの司会者ジミー・キンメル氏の番組が休止となったことにも言及。連邦通信委員会(FCC)のカー委員長が、キンメル氏に対処しなければABCに対して措置を講じると示唆したことに対して巻き起こった反発を称賛した。
ハリス氏は、オバマ元大統領の警告に同調し、トランプ政権による取り締まりに直面している機関、とりわけ法律事務所や大学に対し、同様の抵抗を呼びかけた。
「ジミー・キンメル氏の番組休止に関して言えば、権力は国民にあり、国民がそれを財力を使って明確に示した」とハリス氏は述べた。「ここ数日、国民の力を目の当たりにした。それは多くを物語り、決定を正しい方向に導いた」
今後について
ハリス氏は先ごろ、来年予定されているカリフォルニア州知事選への出馬を断念した。2028年大統領選への3度目の出馬について問われると、ハリス氏は「現時点で重点を置いていない。全くおいていない」と答えた。