優勝ホヤホヤの14本 山下美夢有が「スパイダーツアーX」にした理由は?
◇日米女子ツアー共催◇TOTOジャパンクラシック 事前(4日)◇瀬田GC 北コース (滋賀)◇6616yd(パー72)
前週「メイバンク選手権」で今季2勝目を挙げ、米女子ツアーのポイントランキング3位になった山下美夢有のキャディバッグの中をのぞいてみた。
「AIG女子オープン」(全英女子)優勝時と14本の中身は変わっていない。1Wはシーズン序盤は「ZXi LS」だったが、途中で「ZXi」へスイッチ。同時にシャフトを「5SR」から「4SR」とスペックを落とした。理由について「やはり飛距離ですね」と話すのは、米ツアーに帯同する住友ゴム工業(ダンロップ)の担当者、山脇翔平氏。「体格のいい選手が多い中で、少しでも飛ばしたいという彼女の要望で、シャフトを軽くすることを提案しました。ヘッドスピードが上がって、打ち出しが上がり、高さも出た」とスペックチェンジが功を奏した。
今シーズンから投入した「ZXi7」アイアンは米ツアーでの戦いを見越してのもの。「もともと彼女は一つ前のモデルの時に『5』を使っていましたが、ことしのモデルは『7』にしました。アメリカの硬い地面に対してソールが弾かれないようにという狙いです」(山脇氏)。6番アイアンだけ「ZXi5」にして、球の上がりやすさを優先している。山下本人も「データを測ったときに長いアイアンは『5』のほうが良かったので、そこだけやさしいものを選びました」と話す。
14本の中でもやはり注目はパターだろう。今季序盤はオデッセイの「2BALL-TEN」を使い、その後もころころと替わるなど落ち着きがなかった。全英の前に投入した「スパイダーツアーX」のクランクネックが見事にハマった。山下は「打った感じがすごく良くて、据わりも良かった。スパイダーはジュニアの頃に使って以来」と選んだ理由を話す。よく見ると「winn」(ウィン)のグリップが差さっている。「海外で試した時にたまたまそれがついていて、思いのほか良くて。手の感触がしっくりきました」(山下)と思わぬ出会いもあったようだ。信頼のおけるクラブで、日本の地でのシーズン3勝目を狙う。
<山下美夢有の14本>
ドライバー:ダンロップ スリクソン ZXi(9度) シャフト:藤倉コンポジット SPEEDER NX GREEN(重さ40g台、硬さSR)
フェアウェイウッド:ZX MkII(3番15度、5番18度) シャフト:SPEEDER NX GREEN(重さ50g台、硬さSR)
ユーティリティ:ZX MkIIハイブリッド(4番22度、5番25度) シャフト:VENTUS BLUE ハイブリッド(重さ70g台、硬さS)
アイアン:ZXi5(6番)、ZXi7(7番~PW) シャフト:トゥルーテンパー ダイナミックゴールド(重さ80g台、硬さR300)
ウェッジ:クリーブランド RTZ (48、52、58度) シャフト:48度/ダイナミックゴールド(重さ80g台、硬さR300)、52&58度ダイナミックゴールド(重さ90g台、硬さR300)
パター:テーラーメイド スパイダー ツアーX クランクネック