列車内で乗客を刺した男を逮捕、ウクライナ避難民が刺殺されたのと同じ路線 米シャーロット
米ノースカロライナ州シャーロットで、列車内の乗客が刺されて負傷した/Erik Verduzco/AP/File
(CNN) 米ノースカロライナ州シャーロットのライトレール列車「リンクス・ブルーライン」で5日午後、乗客1人が刺されて重傷を負った。この同じ路線では数カ月前、ウクライナからの避難民が刺されて死亡していた。
シャーロット・メクレンバーグ警察(CMPD)によると、事件は午後4時50分ごろに発生。負傷者は病院に搬送された。重体だが容体は安定しているという。
警察は、オスカー・ソラルザノ容疑者(33)を逮捕した。逮捕状によると、ソラルザノ容疑者は「大型の刃が固定されたナイフ」で被害者を襲ったとされる。容疑者は酔っていた様子で被害者に「闘い」を挑み、ろれつが回らない状態で周囲に罵声を浴びせていたという。
ソラルザノ容疑者は殺人未遂や凶器による暴行、車両への不法侵入、酔った状態での騒ぎなどの容疑で訴追された。裁判所記録によれば、容疑者は「不法移民で、過去に国外退去処分を受けた」ことがある。保釈なしで勾留されており、8日に出廷する予定。
米国土安全保障省が経緯を調べている。
シャーロット市は今回の事件の2日前、暴力事件が頻発する地域で、警察の警戒と取り締まりを強化する新たな治安対策を開始したばかりだった。
ノースカロライナ州のジョシュ・スタイン知事はX(旧ツイッター)で、事件について警察署長と話し合いを行ったと明らかにし、「被害者の完全な回復を祈ってください」と投稿した。
同じ路線で避難民の刺殺事件も
今回の事件の約4カ月前には、ウクライナ避難民のイリーナ・ザルツカさんが殺害されていた。8月、ザルツカさんは深夜に駅から列車に乗車した後、刺されて死亡した。
この事件では、当時無職だったデカルロス・ブラウン被告(35)が殺人の罪で起訴されている。裁判資料によると、強盗や侵入などの前科があり、家族はCNNに「精神的な問題を抱えていた」と語っていた。
リンクス・ブルーラインの9月の利用者数は前年同月比で10%以上減少。当局の統計では10月も8%減少した。地元メディアが伝えた。
シャーロット地域交通システム(CATS)は10月、警備体制を強化。鉄道の保安を担当する請負企業が人員をフル稼働させているほか、24人の非番の警察官と協力して業務を行っている。