30分で日当1万円?工事現場の<警備>の仕事は出勤日の半分が早上がり。でも警備員を人間扱いしない監督もいて…(婦人公論.jp)
内閣府の「令和7年版高齢社会白書」によると、65歳以上の就業者数は年々上昇しており、21年連続で前年を上回ったそうです。そのようななか、65歳の林山翔平さんは「十数万円の年金だけでは生活に余裕がない」と危機を感じ、雇用延長の途中から「定年バイト」の就活を開始しました。そこで今回は、林山さんの著書『年金だけじゃ生活できない!「定年バイト」奮戦記』より一部を抜粋し、定年バイトの実態をお届けします。 【書影】現在65歳の著者が数々のバイトの面接に潜入取材を敢行!林山翔平『年金だけじゃ生活できない!「定年バイト」奮戦記』 * * * * * * * ◆道路工事や建設現場の警備の醍醐味は「早上がり」 10分で終わっても日当がもらえる 「林山君、警備員のバイト始めたんだって?」 知人の内藤さん(仮名)から電話がかかってきた。内藤さんは70代で、5年前から警備員をしている。 勤務時間は午前8時から午後5時。仕事の多くは屋外の路上。つまり交通誘導員だ。私は店舗警備が専門なので、屋外の仕事を知らない。内藤さんに話を聞くと悲喜こもごもという印象だ。 道路工事や建設現場の警備の面白さは「早上がり」にある。店舗警備では閉店まできっちり立哨するが、屋外の場合は工事や資材の搬入が数時間で完了したりする。あとはやることがない。そのため工事の現場監督が「もう帰っていいよ」と解放してくれることがある。ときには半日で終了。それでも1万円の日当をもらえる。 内藤さんはこの5年間の出勤日のうち半分は早上がりだった。早上がりの日は平均で午後2時ごろに仕事が終わったという。
◆監督の温情 「30分で終わったこともあるよ」 工事現場では、作業した証拠として交通誘導員を立たせてその光景を写真撮影する。ところが作業員が撮り忘れることがある。そのとき作業員はどうするのか? 証拠写真を“捏造”するのだ。 作業が完了しているのに翌日も警備員を現場に呼び、路上に立たせて撮影。これを前日の工事風景として書類に添付する。写真撮影は30分で終わる。撮影が終わると内藤さんはお役御免で帰宅できる。念のために言うが、30分でも日当1万円はちゃんと支払われる。こうして午前8時30分に業務が終了。なんとも羨ましい。 現場の工事監督が気を利かせてくれることもある。やるべき作業が終わり、翌日はコンクリ屋や電気屋などの工事業者が来ない。そのことがわかっていながら、警備会社に連絡をしない監督がいるのだ。その結果どうなるのか。 「われわれ警備員は現場に呼ばれるけど、何もやることがない。朝8時に現場に行くと監督が『今日は作業がないから、もう帰っていいよ』と言ってくれる。おかげでわずか10分で帰れる。われわれにラクして稼がせてやろうという監督の温情だね」