Rが生産終了で考えたい……今だからこそ乗りたい究極のエンジンとは

/ コラム

 電動化していく自動車の中に、令和の価値基準で探す「官能エンジン」。前編では、昔と今のエンジンの違いなどを、鈴木直也氏、片岡英明氏、松田秀士氏に語っていただいた。中編では姿を消していく「超官能エンジン」の話題に……。※本稿は2025年9月のものです文:ベストカー編集部/写真:中里慎一郎、日産、レクサス

初出:『ベストカー』2025年10月10日号

【画像ギャラリー】オフライン式を開催した日産 GT-Rにレクサス5L・V8軍団……姿を消していく「官能エンジン」搭載車(24枚)

2025年8月26日に最終ラインオフで生産終了した日産 GT-R。570ps、65.0kgmの3.8Lターボを搭載する最後の超絶官能エンジン車だった

片岡「R35GT-Rがついに生産を終了しました」

鈴木「現代における最後の超官能エンジンだよね」

片岡「一般道をゆっくり走っていてもエンジンの凄さが実感できます」

鈴木「トヨタのV8、5L・NAもそろそろ終わりになるんじゃない?」

片岡「RC Fはファイナルエディションが完売です」

鈴木「クラシカルエンジンの究極だよね。GT-Rはモダンレーシングエンジン」

松田「残してほしいエンジン。RC Fはシャシーも改良でどんどんよくなって、ファイナルエディションは、もの凄く洗練された」

片岡「GT-RやトヨタV8と対極のような存在がロードスター」

鈴木「片岡さん、最近買いましたよね?」

片岡「重たいEVに乗るとロードスターの魅力がよくわかります」

鈴木「直4の1.5Lは、CX-3などに搭載されるP5-VP型ですが、クランクシャフトなど、中身はベツモノの専用エンジン」

片岡「限られたコストの中で頑張ったエンジンです」

松田「パワーがなくても気持ちよさを味わえるエンジン、クルマです」

ロードスターは136ps、15.5kgmでけっしてパワフルではないが、滑らかで軽快な吹け上がりが心地よく、1000kg前後の軽い車重も手伝って走りはスポーツカー。スイフトも軽い車体でエンジンの吹け上がりを楽しめる

片岡「マツダは個性的なエンジン開発に積極的です」

鈴木「その究極がロータリーなんだけどね。ミラーサイクルもいち早くユーノス800でトライした」

片岡「マツダは今の時代に敢えて直列6気筒を新開発しましたし……」

鈴木「国内はディーゼルターボのみだけど、海外向けにはガソリンもある」

松田「CX-60は中速域のトルクで押し出す感覚が気持ちいい。ただ、直6ならではの吹け上がり感は希薄」

鈴木「直6らしい音や、吹け上がりのビート感は感じないよね」

片岡「もちろん実燃費のよさなど、評価すべきポイントはあるんですが、官能エンジンかというと、ちょっと違うかな……」

鈴木「吹け上がりを重視すると排ガスも燃費も厳しくなるから割り切った」

松田「トルコンレスの8ATというのが、モーターなしのディーゼルターボでは厳しいと思うんです」

鈴木「トルコンのトルク増幅効果が得られないし、乾式クラッチのトラブルも怖い。マイルドハイブリッドはそこをモーター動力でカバーしているんだけどね」

片岡「マツダはSKYACTIV-Xもありますね」

鈴木「内燃機関に全振りしてるよね、マツダ」

松田「ただ、あれは官能エンジンを目的としていませんからねぇ」

片岡「期待度がもの凄く高かったのに、走らせるとエンジンフィールは普通」

松田「開発陣の説明を聞くと、やっていることは凄いんですけどね」

鈴木「ガソリンエンジンで圧縮着火を成功させた技術はお見事」

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