オランダ総選挙、極右が勢い失う-中道や左派が連立主導の可能性

Patrick Van Oosterom、Charlotte Hughes-Morgan

  • ネクスペリア接収に伴う中国との緊張、新政権の課題に

オランダの下院総選挙の投開票が29日に行われる。近年で最も右寄りの政権下で続いた2年間の政治的混乱を経て、有権者がどんな道を選択するのか、注目されている。

  選挙は、連立与党内で最大勢力のヘールト・ウィルダース党首率いる極右・自由党(PVV)が、6月に連立を離脱したことを受け、行われる。最新の世論調査では、自由党がリードを失っている一方、他の多くの政党はウィルダース氏との連携を否定しているため、より中道的な政党が連立を主導する可能性がある。

  オランダは全国比例代表制を採用しており、特に今年の選挙は候補者が非常に多い。150議席に対し27の政党が争うため、連立政権の形成はほぼ確実となる。 

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  PVVは28日まで、世論調査で圧倒的なリードを保っていた。だが、世論調査会社イプソスI&Oの最新調査では、自由党は23議席と、グリーン左派・労働党連合や、リベラル系の民主66と同数になると予測されている。キリスト教民主勢力(CDA)は19議席と予測され、中道政党主導の連立の可能性も残る。ルッテ元首相の中道右派の自由民主国民党(VVD)は、新興の極右JA21に押され気味だ。

  選挙戦では、候補者たちは移民問題や住宅不足に対する有権者の怒り、そして国の競争力が失われていると懸念する企業からの差し迫った要求への対応を訴えてきた。オランダは、中国資本の半導体メーカー、ネクスペリアの最近の接収に伴う外交的・経済的影響にも直面しており、新内閣にとっても課題となる。

  投票は29日午前7時30分に始まり、午後9時に終了する。オランダ放送協会(NOS)が、午後9時に最初の出口調査結果を発表する予定だ。

原題:Dutch Voters Weigh Return to Center in Election: What to Watch(抜粋)

— 取材協力 Tom Fevrier and Sarah Jacob

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