北朝鮮で「イカゲーム」を視聴した学童が処刑される=米紙報道

 世界最大級の国際人権NGO「アムネスティ・インターナショナル」によると、北朝鮮では「イカゲーム」など韓国のテレビ番組やK―POPを視聴した学童が処刑されているという。米紙ニューヨーク・ポストが7日、報じた。

 同団体に証言した脱北者らによれば、体制により禁止された外国メディアを消費したとして、10代の若者や中学生までもが公開処刑されたり、労働収容所へ送られたり、残酷な公開辱めを受けたりしている。

 これらの証言は、2012年から2020年の間に北朝鮮を脱出した人々25人に対し、2025年に実施された詳細な聞き取り調査に基づくもの。脱出当時、ほとんどが15歳から25歳だった。

 ある証言者は、中国国境に近い両江道で、高校生を含む人々が「イカゲーム」を視聴したとして処刑されたと語った。

「異なる複数の道からの報告を総合すると、これらの番組に関連した処刑が複数回行われたことを示唆している」とアムネスティは記している。

 取り締まりは、金正恩総書記の下で強化されている。同政権は2020年の「反動思想文化排撃法」を施行しており、韓国メディアを「人民の革命的精神を麻痺させる腐った思想」と位置づけている。

 同法では、韓国ドラマや映画、音楽を視聴・所持した場合、5年から15年の強制労働が科される。さらに、コンテンツを配布したり集団視聴を組織したりした場合は、死刑を含むより重い刑罰が科される可能性があると、アムネスティは報告書で付け加えている。

 証言者らによれば、処罰の重さは金銭に左右されることが多いという。

 2019年に脱北したチェ・スビン氏(39)は「同じ行為で捕まっても、処罰は完全に金次第だ。金のない人は再教育収容所から出るために、5000ドルや1万ドルを工面するため家を売る」と語った。

 キム・ジュンシク氏(28)は、2019年に脱北するまでに3回、韓国ドラマを見たとして摘発されたが、家族にコネがあったため処罰を免れたという。

 キム氏は「高校生が捕まっても、家に金があれば通常は警告だけで済む。私たちはコネがあったので法的処罰は受けなかった」と述べた。

 しかし、キム氏によれば、2010年代後半、姉の高校時代の友人3人が、家族に賄賂を払う余裕がなかったため、数年に及ぶ労働収容所刑を言い渡されたという。

 また複数の脱北者は、当局が「思想教育」と呼ぶ一環として、子どもの頃に公開処刑へ強制的に連れて行かれたと証言している。

 アムネスティによると、「109グループ」として知られる専門警察部隊が、令状なしでの家宅捜索や路上検査を行い、外国メディアを摘発しているという。地域を問わず、15人の証言者がこの部隊の活動を説明した。

 それでも報告書によれば、外国メディアは依然として国内で広く視聴されており、中国からUSBメモリーで密輸され、ノートパソコンで再生されているという。

関連記事: