2人の仏冒険家、徒歩で上海到達 16か国1万2800キロ踏破

中国・上海の外灘で取材に応じるロイック・ボイゾさん(右)とベンジャミン・アンブロさん(2026年2月7日撮影)。(c)Jade GAO/AFP

【AFP=時事】フランスの故郷の町から中国・上海まで歩くという、フランス人男性2人の壮大な挑戦が7日、無事に終了した。2人は約1年半をかけ、計16か国の移動をほぼすべて歩ききった。

疲れた様子を見せつつ、喜びに満ちた表情で上海市内の外灘に立ったロイック・ボワゾさんとベンジャミン・アンブロさんは、外灘の遊歩道で川沿いに立ち、中国金融街の特徴的なスカイラインを背景に互いを祝福し合った。

2人は2024年9月、仏南東部アヌシーを出発した。

「大冒険」を求めていた2人は、航空業界が環境に与える悪影響を嫌い、飛行機を使わずに中国を訪れることを決意した。

「実現したことが信じられない。すべてを徒歩でやり遂げた。上海にようやくたどり着いた」と、日焼けしたボワゾさんはAFPに語った。

「自分たちを誇りに思っている…特に、これをやる勇気を持てたことに。成功するかどうかは分からなかったが、試してみようと決めた」

2人は518日をかけて約1万2850キロを歩いた。休息は5〜7日ごとに取った。1日当たりの移動距離は約45キロ。安全面や実務上の理由から、ロシア国内で短期間バスを利用した以外は、すべて徒歩で進んだ。

ゴールまで残り10キロの地点で、地元住民を含む約50人が2人の応援に駆け付けた。その後もメディアや上海在住のフランス人らが加わり、集団はさらに大きくなった。

2人がゴールへの到着を宣言すると、周囲から大きな歓声が上がった。

■地球への「責任」

2人は10歳の頃からの知り合いで、高校から大学まで学生時代を共に過ごした。

パリでの仕事帰りの夜、2人は「何でもできるとしたら何をする?」と互いに尋ね合い、「冒険について話していると中国の話がすぐに出てきた。それから徒歩で行くという、少しクレイジーなアイデアが浮かんだ」とアンブロさんは語った。

ボワゾさんも「気候変動や、それに対する人間の責任を意識している。個人でできる行動もある」と述べた。

クラウドファンディングと企業スポンサーの協力で、旅の費用を賄った。

旅の途中で、2人のファンは増えていった。その一人、中国人女性のサロメさんは、「彼らはとても印象的だ。このアイデアを思いつき、それを実際に実現した」とAFPに語った。サロメさんもウォーキングに参加し、2人のサインをもらった。

ルオと名乗る別の女性は、SNSで2人のアカウントを見つけたといい、「とても感動した。私も歩くのが好き。フランスからここまで徒歩で来るなんて信じられない」と語った。

ルオさんは2人に会うため、自宅から2時間かけて歩いてきたという。

■「常に進み続ける」

2人は道中で、いくつかの困難に直面した。

ボワゾさんは「とても厳しい冬に直面した。ウズベキスタンでは砂漠を横断しなければならなかった」と語り、「常に進み続ける意志を持てたこと」を誇りに思うと述べた。

アンブロさんは、全体的に食事はとても良かったと語ったが、2人がひどく恋しかったものが一つあった。それはフランスのチーズだ。

「ちょっとしたステレオタイプだけど、おいしいからね」とボワゾさんは笑った。

2人は、自分たちが成し遂げた偉業の大きさをまだ実感できていないと語り、このまま「冒険を続ける」誘惑にすら駆られていると話した。

「海にたどり着いたから、船に乗って東に進み、米国に到達するのもいいんじゃないかと思った」とアンブロさんは言う。

このシナリオでは、北米を徒歩で横断し、再び海を渡ってフランスに戻り、アヌシーまで歩いて地球を「一周する」ことができる。

しかしその前に、より差し迫った、そしてシンプルな計画がある。

今、最初に何をするかと尋ねられたボワゾさんは、「たくさん寝る!」と答えた。 【翻訳編集】AFPBB News

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