【毎日書評】上司の無茶振りすらチャンスに変える、アドラー心理学の思考術(ライフハッカー・ジャパン)

ミスを責任転嫁する人には悩まされるものですが、このことについてアドラー心理学では次のように考えるのだとか。 責任転嫁する人自身の行動を変えることはできません(課題の分離)。 また、相手も責任を転嫁する目的があるので(目的論)、相手が何をしようとしているのかを考えると対処の仕方もわかってきます。 まずは相手の目的(「自分の評価を下げないため」「自分のプライドを守るため」など)を考えて、「課題の分離」を意識して、相手ではなく自分の行動をどう変えていくかを決めましょう。 相手をさらに打ち負かすのではなく、自分のできる行動を考えるのです。(91〜92ページより) 著者も職場でミスを責任転嫁され、代わりに上司から怒られた経験があるそう。最初はイラッとして反論しそうになったものの、グッと堪えて「課題の分離」を意識したのだといいます。 つまり、こういうこと。 相手のことは変えられないので「自分は今後どうするべきか?」と考えたのです。 また、もうひとつ大切なのが目的論。自分の目的を考えました。 今回の目的はミスの責任の所在を周りに理解してもらうことではありません。 ミスを再発させないようにすることが目的です。(92〜93ページより) たしかに、責任転嫁する人になにを訴えても得るものはありません。そこで著者は「自分にできることをしよう」と考え、以後は同じミスが発生しないように、できる限り自分で行動することにしたというのです。 責任転嫁されたことには納得できなかったものの、その人に対して積極的にコミュニケーションをとり、情報共有をし、未然に防げそうなところはできる限りのことをしたのだとか。 相手のことは苦手だったけれど、とにかく未然にミスを防ぐように心がけたということです。その結果、ミスはなくなり、その人の著者に対する対応も柔和なものになっていったといいます。 他人は変えられませんが、自分の行動を変えることで、結果的にそれに反応して相手の行動が変わることがあります。 イライラしてしまっても「課題の分離」で物事を考え、行動していけば、たとえ周りの人が変わらなくとも、あなたにとってプラスになることと思います。(94ページより) 著者の怒りの目的は「権利擁護」だったわけですが、自分の権利を守るためにすべきは相手を打ち負かすことではなく、自分で行動して変わることだったわけです。ここからもわかるように、自分に向けられる周囲の反応は、自分の行動の鏡になっているのです。(91ページより) 本書を通じてアドラー心理学を体感してみれば、“気持ちを抑えようと我慢するよりも、きっとよい方法”が見つかるはずだと監修者は述べています。ついつい我慢してしまい、イライラ、モヤモヤした気持ちを解消できずにいる方は、参考にしてみてはいかがでしょうか。 >>Kindle unlimited、500万冊以上が楽しめる読み放題を体験! Source: 大和出版

印南敦史

ライフハッカー・ジャパン
*******
****************************************************************************
*******
****************************************************************************

関連記事: