(まとめ)日経平均は825円高で反発 自律反発に加え、半導体株高が寄与

2025/10/15

日経平均は自律反発狙いの買いが入り、154円高の47,002円と反発して寄付きました。前日14日の日経平均が1,200円超下落していたことに加え、米国市場ではパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長がQTの終了が近いことを示したことでダウ平均は続伸となっていました。これらを背景に朝方から堅調な推移となった日経平均は、前引け間際に一段高となり、615円高の47,463円で前場の取引を終えました。 後場も勢いを落とすことなく、堅調な推移となりました。中盤にはオランダの半導体製造装置大手ASMLホールディング[ASML]が好決算を発表したことを手掛かりに、日本市場でも半導体関連銘柄などが買われたことで、14時5分に927円高の47,774円を付け本日の高値を更新しました。その後は、わずかながら上げ幅を縮小し、最終的に825円高の47,672円で大引けとなりました。

新興市場では東証グロース250指数が3日ぶりに反発、2.6%高となりました。

2.個別銘柄等

メルカリ(4385)が14.2%高の2,380円をつけ4日ぶりとなる大幅反発となりました。14日に単発アルバイト仲介サービス「メルカリ ハロ」を12月18日に終了すると発表し、不採算事業からの早期撤退が好感され買いが入りました。単発バイトのビジネスは、仲介大手のタイミー(215A)などと競争が激しく、費用が先行しているとみられていました。 イオン(8267)は一時、10.9%高の2,084円をつけ、株式分割考慮後の上場来高値を更新しました。14日、2026年2月期の中間決算を発表し、営業利益が前年同期比19.8%増の1,181億円と市場予想を小幅に上回り、これを好感する買いが入りました。 ソフトバンクグループ(9984)は5.1%高の21,945円をつけ3日ぶりとなる大幅反発となりました。前日14日に6.1%安と大幅に下げたことから、自律反発狙いの買いが入りました。 SUMCO(3436)は3.6%高の1,685円をつけ3日ぶりに反発となりました。14日、国内証券が、同社の投資判断を3段階で真ん中の「中立」から「強気」に、目標株価を従来の1,000円から足元の水準を上回る2,000円へ引き上げ、これを材料視した買いが入りました。

ソフトウェアのSHIFT(3697)は0.2%高の1,232.5円をつけ3日ぶりに反発となりました。14日、2026年8月期(今期)の売上高が前期比15.5%増の1,500億円になる見通しだと発表し、市場予想を下回るガイダンスが物足りないとの見方から軟調な推移となるも、株価はここ半年の安値圏にあるため、下値では押し目買いも入り、大引けにかけて上昇に転じました。

VIEW POINT: 明日への視点

後場にオランダASMLホールディング[ASML]の好決算が伝わり、半導体関連銘柄が買われるなどしたことから日経平均は825円高で取引を終えました。明日の材料には、昨日に続き米銀大手のモルガン・スタンレー[MS]やバンク・オブ・アメリカ[BAC]の決算発表やニューヨーク連銀製造業景気指数といった経済指標があげられます。目先は米中対立の動向をうかがいながら、決算銘柄の物色が続きそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)

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