米コロナワクチン、65歳未満接種に新規治験義務付けへ

米食品医薬品局(FDA)は20日、新型コロナウイルスのワクチン追加接種について、65歳未満の健康な国民向けの実施承認に先立って新たな臨床試験を義務付ける計画を明らかにした。写真は2020年8月、メリーランド州ホワイトオークで撮影(2025年 ロイター/Andrew Kelly)

[ニューヨーク 20日 ロイター] - 米食品医薬品局(FDA)は20日、新型コロナウイルスのワクチン追加接種について、65歳未満の健康な国民向けの実施承認に先立って新たな臨床試験を義務付ける計画を明らかにした。これにより追加接種の対象は事実上、高齢者と重症化リスクのある国民に限定される。

FDAのマカリー長官とワクチン規制を統括するプラサド氏が医学誌「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)」に寄稿し、こうした計画を明らかにした。

両氏は米国のコロナワクチン政策に批判的で、現在見直しを進めているもよう。

両氏は、ウイルスが数年間まん延しワクチンが利用可能になった後では、健康な成人が毎年接種を受けてもメリットは不明確と指摘。また、高所得国の中で健康な成人への毎年の接種を推奨している米国は例外的と強調した。

新計画はFDA研究者向けにオンラインで補足説明された。プラサド氏は「われわれはFDAとして、もっと多くの裏付けを求めている。特に7―9回目の接種でのワクチンの作用について認識を深めたい」と述べた。

マカリー長官とプラサド氏は、FDAは患者の免疫反応検査データに基づき、65歳以上への追加接種承認は可能とみていると述べた。

また両氏は、生後6カ月以上で、新型コロナ感染によって重症化するリスクの疾患を1つでも抱える国民にも、接種が可能になると話した。

ただ、FDAは生後6カ月から64歳までの健康な人については、製薬会社が正式な治験を実施する必要があるとみている。

さらにプラサド氏は、すべてのコロナワクチンメーカーに対し、50―64歳までの健康な人を対象としたプラセボ対照試験の実施を求め、幼児を対象とした試験の実施も推奨すると述べた。ただ、毎年新たな試験が必要になるとは考えておらず、ウイルスに大きな変化が生じた場合にのみ必要になると指摘した。

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